幼い子供が不登校になる時
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2016年8月31日
- 読了時間: 3分
不登校を、大きく二つに分類すると、
幼い子供と、もう少し成長した子供の不登校とに、
分けられます。
幼い子供とは、幼稚園から小学校低学年の年齢の子供たちです。
この年齢の子供たちの不登校には、「最初の巣立ちの失敗」という意味合いが
含まれています。
10歳ぐらいから上の年齢の子供たちの不登校は、
いじめ、人間関係のストレス、親子関係、勉強や生きることへの疑問
等、さまざまな原因で起こります。
一方、それ以下の年齢の子供たちの不登校は、
家から外の世界に出ていくことに子供がためらったために、
起こるのです。
上の年齢の子供に比べると、不登校の原因はシンプルなのです。
幼い子供たちの場合は、いじめはまだそんなに多くはありませんし、
思春期あたりの子供たちのように自我が発達してきて、
「勉強する目的は何か」
「学校に行く意味はあるのか」
などと、哲学的に考えることはありません。
いじめや生きることへの疑問などでは、不登校にはならないのです。
幼い子供たちが不登校になるのは、
学校という集団行動に順応できないために起こるわけで、
それがすなわち、家から学校への巣立ちの失敗、ということです。
「さあ、○○ページを開いてください」
「計算ドリルで5分間、計算してください。わからない問題は、
手を挙げて先生に質問してください」
等々、小学校に入ると本格的に集団行動が始まります。
先生の指示に注意を払い、理解していないと、
集団行動から取り残されてしまいます。
幼稚園や保育園ほど、先生は子供に寄り添って指導する余裕は
ありません。
いつの間にか、取り残されている自分に気づき、
学校に行くことが嫌になってくるのです。
または、指示にはついていくものの、家ほど自由には
過ごせないことに対して不満がたまっていき、
学校より家がいいと思うようになって、不登校になります。
友達との関係においても、うまくいかなくて、
それよりもいろいろ自分の言うことを聞いてくれて、
仲のいい親とのふれあいのほうがいいと、家に戻ってしまって、
不登校になることがあります。
では、学校での集団生活や、友達との不調和が起こるのは、
どうしてでしょうか。
多くの場合、親子関係に背景があります。
親が子供にいろいろ指示したり、提案したりすることが
多くなると、
子供が親からの指示がないと動けなくなってしまいます。
そうなると、
いざ学校に出て、親からの指示がなくなってしまった状態では、
何をするのかわからなくなり、
集団生活についていけなくなるのです。
あるいは、親よりも子供が上位になっている関係に育つと、
わがまま・自己中心的になり、友達との関係をうまく作り上げる能力が、
つかなくなってしまいます。
この年齢の子供の不登校すべてが、親子関係に原因があるというわけでは
ありませんが、その割合は多いです。
ですので、幼い子供の不登校は、親子関係を部分的に修正すれば、
改善できます。
そして、それより上の年齢の子供の不登校よりも、時間はかかりません。
それより上の年齢の子供の場合、心の中に長年味わってきた
苦しみや疑問が蓄積されていて、それを取り払うのに時間がかかるのですが、
幼い子供の場合はあまり蓄積されていませんので、
親が変わるだけで比較的短時間に、不登校を改善できます。
幼い子供の不登校は、そういう意味では、親子関係を見つめる
一つのきっかけだと思うのです。
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