不登校・引きこもりの子への登校刺激では、親・教師・カウンセラーたちの人生観・道徳観が問われます
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2016年8月15日
- 読了時間: 4分
子供が不登校・引きこもりの状態から脱出するためには、
子供が抱いている心の傷や悩み、疑問などを、
自分自身でか、あるいは周囲からのアプローチによって、
消し去り、
納得して、
生きることに希望を抱くようにしなければ
なりません。
周囲からのアプローチがすなわち登校刺激になるのですが、
それが子供たちの心の琴線に触れるようなものでなければ
なりません。
「学校に行かなければだめだ」
と表面だけで言ったとしても、子供の心の琴線に触れることはできません。
そこに深い人生観・道徳観が必要になります。
勉強やスポーツで挫折・失敗して不登校・引きこもりになった子供へは、
生きることにおいて挫折や失敗がどういう意味を持つのか、
結果を出せなかった努力をどう考えるべきか、
というような人生観が必要です。
挫折・失敗が原因で不登校になる場合、
子供は、そして時にはその親も、
「結果を出せなかった努力は無駄である」
という考え方をしています。
しかし、成功をつかんだ人たちの人生を見ると、
すんなり成功した人生はありません。
たいてい挫折や失敗を繰り返しています。
成功した人々は大きな夢や志を抱いていますが、
若い時は、
それを実現するほどの知識や経験が不足しているため、
挫折や失敗が避けられないのです。
挫折や失敗する中で、まずその状況に耐え、
何が足りなかったのか、どこを間違っていたのか、
自己分析していくことで、
最終的な成功のチャンスをつかんでいきます。
その事実を踏まえますと、
子供時代の挫折・失敗は、
将来直面するであろう、挫折・失敗に対する忍耐力を
つけるということと、
いったい自分の何が原因だったのか自己分析する
絶好の機会である、ということになります。
受験や大会、演奏会などでは望むような結果を出せなかったことは
本人にとっては苦しいことですが、
それがより大きな成功のプロセスであることをアドバイスすると、
挫折や失敗で傷ついた心を復活させ、再び希望を抱くきっかけに
できます。
人間関係でストレスを受けて不登校になった子供への登校刺激においては、
人と人との関係をとらえる人生観・道徳観が必要です。
子供がわがままであったり、
自己中心的であるなど、
もしかしたら子供自身に原因があるかもしれませんので、
そういうことがなかったのか考慮する必要はあります。
その場合は、そうした部分を変えていかなければなりませんが、
それ以外の時、
人とぶつかり合う時、
嫌な人間と出会う時、
傷つく言葉を投げかけられた時、
こうした時は、人と人とが出会い、時にはぶつかりあうことの意味を
子供に伝えなければなりません。
人は、いろいろな人間とのかかわりによって成長します。
自分と合う人だけではなく、合わない人とのかかわりによっても、
成長することができます。
合わない相手をひたすら嫌い、否定するのではなく、
そうした人をどのように理解し、接するか、そこに成長する可能性が
出てきます。
人の気持ちが理解できるがゆえに、人間関係でストレスを感じてしまうんだ、
ということも、子供に伝えてあげるべきことです。
人間関係のストレスを受けて不登校や引きこもりになっている場合、
自分に自信をなくしています。
周囲の人間とうまくやれない自分はダメなんじゃないか、
他人の言葉や行いが嫌に思う自分は弱いんじゃないかと、
自信を失っています。
むしろ逆であり、人の気持ちがよくわかるということは、素晴らしいことであって、
それが将来は強みになること、一つの才能になることを
子供に教えるべきです。
そして、そうした面を持っている人は、大人になった時リーダーになれる人、
人々のニーズを探りあてられる人であることを伝えると、
子供たちが自信を取り戻すきっかけになります。
さまざまな原因によって傷つき、悩んでいる子供たちへの登校刺激は、
その原因と心の状態に応じたものであり、
人生観や道徳観に基づいたものであってこそ、
子供たちの抱えている心の傷や悩み、疑問を払いのけて、
「学校に行こう」
「外の世界に出よう」
という希望を持たせられるのです。
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