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不登校カウンセリングブログその1022.逆境の中で自分を見つめてきた若者の輝き―自分を見つめている不登校の子が気づいていない、自分自身の輝き―

更新日:2022年11月7日



 数カ月前、ある若者と出会いました。詳細は省きますが、大学を出てまだ数年、20代前半の若者です。年齢的には「若者」なのですが、落ち着きがあり、「老成」しているのです。


 なぜこんなに落ち着いているのかなと不思議に感じていたのですが、少しずつこれまでの経験を聞いていくと、10代で何年間か、闘病生活を送っていたらしいのです。その若者はあるスポーツをしていて、全国大会レベルにまで進むほどの実力者だったらしいのですが、原因不明の病になり、そのスポーツを断念しなければならなくなったそうです。


 その後、完治して、今はまったくの健康体なのですが、闘病生活を送っていた当時は、おそらく相当の葛藤があったはずです。一生懸命にやってきて、かなりのレベルまで到達したスポーツを断念し、選手生命を絶たれてしまったわけですから、絶望感を抱くこともあったはずです。


 そういう生活の中で、おそらく自分を見つめていたことでしょう。逆境の中、苦しみの状況において、自分を見つめることをしてきたはずです。その経験がその若者の、老成した部分をつくってきたのでしょう。


 自分を見つめる環境は、多くの場合、逆境や苦しみの中です。そういう環境で人は自分を見つめます。それがすぐに何かに結びつくわけではないのですが、そして本人も意識しないのですが、後々、精神的な成長を促してくれるのでしょう。


 不登校の状況から脱して、自分の人生を歩んでいる子供たちにも、同じような印象を受けることがあります。同年代の子たちに比べて、精神的に落ち着いている印象です。元不登校の子すべてが、そのようになるわけではないのでしょうが、不登校の状況の中で、自分を見つめていく経験をすると、その状況を脱した時に、精神的な落ち着きを得ていくのでしょう。


 不登校の状況の中にいて、「自分はダメだ」という自己否定感を強く抱き、将来への不安を持っている子供たちに、そうしたことを伝えても、おそらくその心には届かないでしょう。ただ、心が穏やかになってきて、それらの思いが小さくなった時、子供本人も気づいていないものを身につけている可能性があることは、伝えてあげてもいいのでしょう。





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