不登校カウンセリングブログその1099.不登校の子供への、「言葉の感化力」を高めるために。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年4月11日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月22日

不登校のわが子がいる親御さんの悩みの一つに、「子供にあることを伝えても、それが子供の心に響かない」ということがあるでしょう。例えば、「頑張ればきっと、不登校の状況から抜け出せる」と伝えても、「そんなことはない」と反発されてしまって、子供の心に言葉が響かないというようなことです。相手を感化する力、すなわち「言葉の感化力」の問題です。どうすれば、言葉の感化力を高めることができるのでしょうか。その方法を6つ、取り上げました。
1 子供の心の状態を見極める
不登校の子供への対応において、常に中心となるのが、子供の心の状態です。心の状態によって、適切な対応の内容が変わってきます。例えば、深く傷ついている時には、その傷がいえるよう優しく対応するのが適切となりますし、元気が出はじめた時には、背中を押すように勇気づけることが適切な対応となるでしょう。
言葉も同様です。子供の心の状態とかけ離れた言葉は、それが素晴らしい内容であっても、子供の心の中に入っていきません。例えば、不登校直後の、将来のことなどまったく考えられない状態の子供に、将来に対して希望を持たせる言葉をかけても、子供の反発を買ってしまうだけでしょう。
子供にかけようとしている言葉の内容と、心の状態を比べて、心の中に入っていきそうかどうか考えることで、言葉の感化力が高まります。
2 子供の悩みや苦しみを理解する
子供が言葉に耳を傾け、その心を動かす可能性のある内容は、自分の悩みや苦しみをきちんと理解したうえのものです。人間関係で悩んでいるのでしたら、その悩みを理解したうえで、その悩みをどうすれば解消できるか、じっくりと考えてから発される言葉こそが、子供の心に浸透できます。
逆に、そうした悩みや苦しみを、まったく理解していない言葉は、子供のことを考えていない、独りよがりの内容となる危険性があります。
3 伝えようとしている言葉について、常日頃から考える
伝えようとしている言葉について、常日頃から考えているのでしたら、その内容に確信を持つことになります。また、さまざまな角度から、その内容を伝えることができます。
逆に、あまり考えていないと、自分の言葉にはならず、借り物の言葉となってしまいます。そうなっては言葉の感化力は低くなってしまいます。
4 子供が悩んでいそうなことについて、インターネットや本などで深く調べる
これは「3」と関係していますが、あることについて考えるためには、考えるための材料が必要です。その材料集めのために、インターネットや本を用います。子供の悩みに対して、言葉をかけるわけですから、子供が悩んでいそうなこと、例えばそれが人間関係についてのものであれば、思春期の人間関係について調べていくことになります。インターネットは広い範囲で調べることができますが、どうしても浅い知識になるので、深く掘り下げる場合は、やはり本が適切でしょう。
5 子供の幸福を願う
言葉には必ず、その言葉を発した人の思いがこもります。そして相手に伝わります。子供の幸福を真に願っている言葉であれば、その思いは子供に伝わり、子供の心を開きます。
「子供の幸福を願わない親なんていない」と反論されるかもしれませんが、その言葉に親の欲が入ってしまいますと、その欲を子供は見抜いて、拒否する可能性があります。
6 言葉を繰り返す
残念ながら一度だけでは、子供の心には浸透しません。浸透するまで、その言葉を繰り返す必要があります。
この時、注意していただきたいことは、短時間で繰り返さないことと、同じ形の言葉にしないことです。短時間で繰り返すのは、「しつこい」ととられてしまいますので、少し時間を置いた方がいいでしょう。また、伝えたい内容を、いろいろな形の言葉に変えて伝えると、子供の拒否反応を小さくできますが、まったく同じ形の言葉にしてしまいますと、拒否反応が大きくなってしまいます。
不登校の状況にある子供たちの心の状態は、非常に不安定です。そのため、親からの言葉をなかなか受け入れようとしない面があり、拒否してくることもあります。しかし、子供のことを思う言葉は、必ずその心の中に入っていきます。
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