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不登校カウンセリングブログその1183.「ありがとう」の言葉を大切にする子供は、幸福を感じやすくなります。

更新日:2022年10月21日

 

 「ありがとう」という感謝の思いを、最近はしみじみ感じています。今の環境や人生は、さまざまな人が支えてくれているから成り立っているものです。その支えてくれたことに気づくと、やはり「ありがとう」の思いがわいてくるのです。


 もちろん、自分なりに努力してきた部分はあります。学生時代はそれなりに勉強してきたつもりですし、社会人になってからも一生懸命に仕事をしてきたつもりです。


 そういう個人の努力の結果、今の環境や人生があるというのは事実なのですが、それだけではない面、すなわち個人の努力以外の面もあることを、年齢を重ねていくうちに気づいてきています。そういうことに気づいていくと、やはり感謝の思いがわいてくるのです。


 我が家はあまり豊かではありませんでした。それでもぎりぎり、何とか大学まで行かせてもらったのは、やはり親のおかげでしょう。家庭によっては、「うちはお金がないから、大学に行かせてあげられない。申し訳ないけれど、高校を出たら働いてくれ」と言われることもあるでしょう。うちの親は、何とかやりくりして大学進学を許してくれました。これも非常に感謝すべきことです。


 出会った人たちにも、やはり感謝でしょう。人生の途上で出会った人たちの中には、支えてくれた人もいました。私が悩んでいることに、何らかの形でヒントをくれたり、希望していることに近づけてくれたり、そういうふうに支えてくれた人がいて、ありがたいと思います。


 そういうふうに支えてくれた人たちだけへの感謝ではなく、攻撃してきた人、一般的には「いい出会い」とはならなかった人への感謝というのもあります。そういう人たちと接することには、忍耐力が必要となります。その結果、忍耐力がついてくるわけで、そのことにも感謝の思いがあります。


 「ありがとう」という思いについて考えてみますと、その思いを抱けること自体、幸福なのではないでしょうか。「ありがとう」と思える状態、言える状態のことを考えてみたら、そういう心の状態が既に幸福を感じています。何かを与えられている自分、支えてもらっている自分を意識しています。


 子供の場合も同じです。「お父さん、お母さん、ありがとう」と言える子供は、おそらく幸福な子供なのでしょう。子供がそうした感謝の思いを持つのは、通常は難しいです。子供は愛を受ける存在であり、それが許される存在でもあります。親など周囲の人から愛を受けて育っていくのが子供時代ですので、受けた愛に対して「ありがとう」と言える子供は、珍しいでしょう。


 しかし、そうした子供に対して、「ありがとう」という思いや言葉の大切さを伝えておくと、後々、それが子供の幸福に役に立つでしょう。「ありがとう」の思いを抱き、その言葉を発する傾向のある人は、幸福になりやすいのです。小さなことでも、自分に与えられているものの方に意識し、それに対して感謝できる精神的な姿勢は、「足るを知る」姿勢でもあります。自分に与えられた環境に満足することは、「もっと欲しい、もっと欲しい」という、底なしの欲求から自分を遠ざけることになります。その結果、幸福を感じやすくなります。


 「ありがとう」の思いを持つことには、さらに先の展開があります。それはすなわち、「報恩」、与えられたものに対するお返しの気持ちへとつながります。そういう「報恩」の思いは、「お返しできる自分になろう」という思いでもありますので、努力して前に進もうという意欲の源となります。そういう人間になろうと、近づく努力をすることは、その人を幸福に導いてくれます。


 「ありがとう」の大切さを子供に伝えるのは、小さなところからでいいのです。そばにいる大人、たいていは親になると思いますが、「ありがとう」の思いを持ち、それを言葉として出す姿を見せてあげれば、それを子供は真似ていくでしょう。例えば、外食した時など、会計する時に店員に、「ごちそうさま」という言葉を伝えるのも、「ありがとう」の一つでしょう。


 子供に、努力することの大切さを伝えることは、その子供にとって資産となります。それに加えて、「ありがとう」の思いの大切さを伝えることもまた、その子供にとって大きな資産となると思うのです。

 





 

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