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不登校カウンセリングブログその1194.不登校の子供が、ゲームばかりやっていたり、何もしないで過ごしていたりする時間は、子供にとって必要な時間です。

更新日:2022年10月21日


 不登校の子供が一日、ゲームばかりやっていたり、何もせずに過ごしていたりする姿を見ていると、「何かやったら」と言いたくなるでしょう。せっかく時間がたくさんあるのだから、長い間手を付けていない勉強をした方が、また学校に戻った時に楽になるのではないか、あるいはスポーツでもした方が、ずっと家に居て落ちている体力を強くすることができるからいいのではないか、と思って、そのように言いたくなるのは理解できます。


 自分の子供が不登校になっている親御さんのSNSを見ても、「うちの子は部屋にいて、ゲームばかりやっている。何もしないで過ごしている。このままでいいのかと不安になってしまう」というツイートをしばしば目にします。


 では、病院でベッドに横たわっている患者に対して、「一日中、ベッドに横たわっているのは時間がもったいない。せっかく時間があるのだから、何かやったらどうか」と言うでしょうか。体のどこかに傷や、痛めているところがあって、ベッドにふせっている人に、そういうことを言うでしょうか。そういうことは言わないはずです。それは、ベッドに横たわっていて、何もしていない時間のように見えても、そのようにしている時間が患者にとって必要な時間だからです。


 入院しているのですから、その患者は体のどこかに病んだ部分や傷ついた部分があります。その部分を治すのは、もちろん手術や薬であるのですが、体に備わっている自然治癒力でもあるのです。自然治癒力によって、病気やけがを治すのであり、その自然治癒力は体を休めることによって発揮されるのです。患者は何もしていないわけではなく、自然治癒力によって体を治しているのです。


 不登校の子供の場合も、まったく同じでしょう。不登校の子供の場合は、起立性調節障害などのように、体に異変があることもありますが、多くの場合、心に何かを抱えています。あるいはエネルギー切れを起こしています。不登校に至るまでの間に、心が傷ついていたり、自己否定感を抱いていたり、やる気を失ってしまっていたりしています。その心の状態を改善するために、静かな環境の中で、心の自然治癒力を働かせているのです。そのような心の状態で、時間がもったいないから勉強やスポーツをした方がいいと主張することは、ベッドに横たわっている患者を立たせて、スポーツさせた方がいいと主張するのとあまり変わらないことでしょう。


 体は、傷んでいる様子が分かります。具合が良くないな、ということが分かります。また、良くなっていく様子も目に見えます。そのため、ベッドに横になっていても自然な様子に見えます。


 ただ、心は目に見えません。目に見えないために、どこか傷ついているところがあることが分かりませんし、静かで一人の環境で過ごしている様子を見ても、良くなっていく様子が分かりません。そのため、つい「何もやっていない、何も起こっていない」と見なしがちですが、目に見えないだけのことなのです。不登校の状況で、子供が何もせずに時間を過ごしていても、それは子供にとって必要な時間であるのです。





 

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