不登校カウンセリングブログその1219.不登校の状況を変えるカギとなる自己肯定感。その自己肯定感を高めるには、最終的には「人間とは何か」ということまで踏み込む必要があります。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年8月31日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月21日

不登校のことについてある程度、調べている方は、不登校の状況を変えるには、子供の自己肯定感がカギとなることを理解しておられると思います。自己肯定感とは、「自分は価値ある存在だ」と、無条件で自分という存在を肯定する考え方です。
不登校の状況になった子供はたいてい、不登校に至るまで、何らかのことが原因になって自己肯定感が下がっています。友達からの心無い言葉であったり、成績不振であったりしますが、何らかのことがきっかけとなって、自己肯定感を失い、「自分はダメだ」という自己否定感を抱くようになっています。「自己肯定感」がなければ、「自分はダメだ」と自己否定感を抱いていれば、前に進むことは難しいです。前に進むことができなければ、不登校の状況から脱出することはできません。そのため、自己肯定感が、不登校の状況を変えるためのカギとなるのです。
この自己肯定感を高める方法の一つとして、小さな実績を積み上げていって、自信をつけていくという方法があります。何でもいいですので、自分はこれだけのことができた、うまくいったということを積み重ねていき、自信をつけていくと、自己肯定感は高まります。
これは確かに有効な方法です。自信がつけば、自分はダメだという自己否定感は解消されていきますので、自己肯定感は高まっていくでしょう。
その方法で自己肯定感を取り戻すことができれば、非常に喜ばしいことなのですが、子供によっては、その方法で自己肯定感を取り戻すことができないことがあります。それは、この方法では「条件付き」の自信となるものの、自分という存在を「無条件に」肯定するまでには至らないことがあるからです。
冒頭で書きましたが、自己肯定感とは、「無条件に」自分という存在を肯定することです。この「無条件に」ということが、自己肯定感の特徴なのですが、小さなことで実績を積み重ねて自信をつけていく方法の場合、「このことはできた」と、ある特定のことができて実績を上げた、ということであり、「無条件に」ということから二つの点で、外れてしまっているのです。
まず、ある特定のことができた、ということですので、それが「無条件に」ということから外れてしまっています。また、実績を上げたということが条件となっていますので、この点でも「無条件に」ということにはならないのです。もし、実績を上げることができなかった場合、自信にはつながらず、自己肯定感にはならない可能性もあります。
この方法で子供が自己肯定感を取り戻せない場合、最終的には、「人間とは何か」ということを伝えていく必要があると、私は考えています。それは、人間という存在の素晴らしさ、可能性です。私は「ダイヤモンドの原石」と表現することもあります。
ここでいう、ダイヤモンドの原石とは、「心」です。心は、すべての人が持っています。「物しかない」という唯物論者の方の中には、心というものを否定する方もおられますが、私はすべての人に「心」があり、その心によって、自分という存在と人生が出来上がっていくと考えています。
人は、自分の心を自分でコントロールできます。そのコントロールは非常に難しく、仏教などの宗教は、まさにそのコントロールの方法を学ぶことが、修行の中に含まれています。怒りや悲しみ、あるいは欲望によって、心が左右されることもありますが、原則、自分の心を自分でコントロールできます。
その心の在り方によって、自分という人間が形作られます。優しい心を持っていれば、自分という人間は優しい人間となります。勇気あふれた心を持っていれば、勇気ある人間となります。そして、その心の状態によって、人生ができていきます。ブログでたびたび取り上げてきた、「心の創造作用」です。
こう考えますと、人は、自分という存在と人生を、自分でコントロールできるということになります。周囲からの影響はもちろんあります。そうした影響を受けるでしょう。それでも、どこまで自分の心にその影響を入れるかは、その心の持ち主によって決まるのです。
周囲の人からどれだけ、自己肯定感を傷つけるような言動を受けても、自分の周りの環境がどれだけみすぼらしくとも、そうした心の可能性は、誰も消すことができません。心の可能性、すなわちダイヤモンドの原石としての輝きは、絶対にくらますことができないのです。その事実が、「無条件に」自己肯定感を持つことにつながると、私は考えています。
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