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不登校カウンセリングブログその1494.「不登校は親のせい」なら、不登校の子供が増えている状況は、「子育てが下手な親が増えている」ということなのでしょうか?

 

「不登校は親のせい」「子育てに問題があって、子供が不登校になった」という言葉をよく聞きます。その言葉を聞かされて、傷ついた親御さんは多いでしょう。本当に、そうなのでしょうか。


 1980年ぐらいまでは、不登校の児童数は今ほど目立つ状況ではなかったのですが、そこから徐々に増え始め、1990年頃からその傾向に拍車がかかり、途中、多少の増減はあったものの、全体として増加傾向にあります。そして、2021年のデータで19万人にもなります。


 不登校が親のせいであり、子育てに問題があったから不登校になったとするなら、子育てが下手な親が増えてきたということなのでしょうか。そういう親が19万世帯にも上るということなのでしょうか。


 昔に比べて、今は子育てや教育に関する資料も豊富になってきています。そうした資料を読んでいる親御さんも増えているので、少なくとも子育てに関する知識は、昔の親世代よりも豊富でしょう。また、昔の親世代は今よりも子だくさんのため、もう少し荒っぽい子育てだったでしょうから、今の方がきめ細かな子育てになっているでしょう。


 子供に問題が起きたら、そのすべてを子育てに原因を求める考え方は、今に始まったことではありません。1979年に、「母原病」という言葉が流行りました。小児科の久徳重盛氏が刊行した『母原病ー母親が原因で増える子供の異常』(サンマーク出版)が100万部を超えるベストセラーになり、それによって「母原病」という言葉が流行ったのです。「母原病」とは、子供の病気の60%は母親に原因がある、という考え方であり、登校拒否などもそこに含まれます。


 確かに、子供にとっての母親の存在は大きいです。子育てにおいて、母親の影響は無視できないでしょう。


 ただ、学校に通うようになったら、学校でのさまざまな関係が子供に影響を与えます。教師との関係、友達との関係が影響を与えます。思春期になれば、社会を意識し始めますので、社会と自分との関係も影響を与え始めるでしょう。それらの関係において、子供が悩んだり傷ついたりするようなことがあり、それによって不登校になったとしても、それが母親との関係のせい、すなわち子育てのせいとは言えないでしょう。


 子供が育っていく中で、母親・父親からの影響は、特に幼少期においては強いでしょう。ただ、子供が成長していくにつれて、友達との関係、先生との関係、社会との関係ができてきて、そちらの影響が大きくなっていきます。それらの影響を無視して、不登校を論じることは、あまりにも偏りすぎたものだと思うのです。








 
 
 

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