不登校カウンセリングブログその986. 「大人に話を聞いてほしかった」という、不登校の子供たちの願い。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2021年12月18日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年12月2日
以前、不登校だった子供たちが、その当時のことを述べていることを書いている本で、興味深い言葉がありました。
「一番苦しかった時、大人に話を聞いてほしかった」
けっこう多くの子供たちが述べていますので、子供たちとしては、なかなか話を聞いてもらえないと感じているというのが、現実なのでしょう。
では、話を聞こうという大人がいなかったのか、というと、そうではないと思います。話を聞く大人はいたのにもかかわらず、そして聞こうとしていたのにもかかわらず、
「話を聞いてくれなかった」
と子供は感じていた、ということなのでしょう。
不登校の子供たちの
「話を聞いてほしい」
ということは、
「自分の気持ちを理解してほしい」
「苦しみに共感してほしい」
ということなのでしょう。
不登校・引きこもりの子供に対すると、大人たちはつい、こういうことを言ってしまいます。
「学校に行きなさい」
「どうして学校に行かないの」
「これからどうするつもり?学校に行かなかったら、
生きていけないよ」
「そんなこと、大したことじゃない」
そうではなくて、まず静かに、口を挟まず、子供のことを理解しようとすることが、
周りの大人に求められる姿勢です。子供の悩みに対して、こちらからすぐに答えを出すことも避けたいことです。子供の悩みは、大人からすれば大したことはないのかもしれませんし、すぐに答えが出せるものなのかもしれません。
しかし、そこですぐに答えを出しても、子供はそれをすぐに受け入れることはできないでしょう。子供なりに悩み、考えるというプロセスを経ていないからです。考えるヒントや方向性を示すことは必要ですが、子供がすぐに答えを出してほしいと望んでいない限り、「大人の智慧」で答えを出すことも、ちょっと控えた方がいいのかもしれません。
話すことと聞くことの、どちらが難しいかといえば、聞くことの方です。話すことは思いついたことを口に出せばいいのですが、聞くことは、相手の考えを受け止め、聞いた言葉を頭の中で自分なりに解釈するということが必要です。
話を聞くことは、相手の思い・考えを理解しようという愛の行為です。そのプロセスの中で、子供の気持ちが本当に理解でき、共感できたとき、閉ざされた子供の心が開き始めます。不登校の状況を変える出発点は、まず聞くことです。
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