「いい学校に入学し、いい会社に入る」という人生方程式は、もう通用しません―自分で考え、自分で行動する人間に育てる―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2019年12月4日
- 読了時間: 3分
子供をいい学校に入学させ、いい会社に入らせて、安定した人生を送る。
1990年ごろまでは、こうした生き方が望ましいとされていて、教育の目標もここにありました。
しかし、それ以降、こうした生き方が通用する時代ではなくなってきています。その当時、優良企業と言われた会社の中には、それから20~30年経過した今では、衰退しているところもあります。シャープ、ソニーなどの家電関連の会社は、海外の競合他社との競争に敗れ、買収されたり、あるいは消滅してしまっています。現代社会においては、変化のスピードも速く、ある時点では優良企業であっても、そこに入社して、安定的な人生になる保証は、どこにもありません。
一生懸命、数年、あるいは十数年、いい学校で勉強してきて、いい会社に入ったにもかかわらず、入った会社が衰退してしまう、あるいは消え去ってしまうという事態には、何とも言えない空しさがあります。勉強してきた人も、「今まで一生懸命頑張ってきたのは、いったい何のためだったのか」と思うでしょう。
現代のように、変化のスピードが速く、優良企業であっても潰れるような時代においては、自分で考え、自分で行動することができるような人材に育てることを、教育の目標とするべきでしょう。現代の教育では、既に正解のある問題に取り組み、正解を導くことを中心に、授業がなされています。それはそれで効果のあることですが、それだけでは不十分です。何かについて、自分で考えさせるカリキュラムも必要です。
例えば、「どうして戦後の日本は、ある時期まで発展したのか」というテーマを与えて、それについていろいろ考えさせるというようなことや、理科の実験で、「どうしてこうなったのか」ということを考えさせることも、授業に取り入れるべきでしょう。
そして、もう一つ、大事なことは、リスクや失敗を恐れない心を身につけさせることです。学校秀才の欠点の一つに、行動する力が弱いことが挙げられます。それは、マイナスを考えてしまうからです。行動したら失敗する可能性もありますので、その失敗というマイナスを恐れて、行動力が鈍くなることが、現代の教育の欠点の一つです。自分の考えで行動できる人材に育てるためには、リスクや失敗も、それが人の迷惑やケガなどにつながらなければ、その行為をほめてあげることも、必要でしょう。
これからどういう人生が望ましいとされるのか、それは現在模索中です。現代はその過渡期であり、そのために先が見えない不安もありますが、そうした時代に力強く生きていけるよう、自分で考え、自分で行動できる人材に育てる教育が、求められています。
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