不登校ブログその811.不登校への対応が細かいフランス。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2021年6月25日
- 読了時間: 2分
フランスにおける不登校への対応について、書いていきたいと思います。
フランスでは、子供が休む時、学校に連絡を入れることが親の義務として、法律で規定されています。一日でも、連絡を入れずに子供を休ませると、学校から連絡が来ます。子供には教育を受ける権利があり、その権利を親が守っていないと考えられるからです。
半日を4回以上、連絡なしで休むと小学校では教育関係者が集められ、中学校以上では親が呼び出され、子供が学校を休む理由を探り、対応策が検討されます。
半日を10回以上休むと、校長が、教育関係者と保護者を集め、子供にあったサポート体制を作ります。中学以上だと、教育関係者の担当が一人決められます。さらに、県の国家教育サービス長に報告します。休みがさらに続くと、教育サービス長は検事正に報告をします。
日本と違って、不登校への対応が非常に早い時期にとられる点が、フランスでの不登校対応の特徴です。
不登校になった子に対して、勉強する権利と場が確保されている点も、日本とは大きく違う点です。次のように確保されています。
1 通信教育(ホームスクーリング)
通信教育(ホームスクーリング)が認められていて、義務教育期間は無料です。ハードルは高いものではなく、教える人に資格は不要で、2年に一度、市役所から家庭環境がホームスクーリングに適切かチェックされ、県によって1年に一度以上、教育内容のチェック(テスト)が行われます。
2 家庭教師の派遣
専門医などから、2週間以上、健康上の問題で登校できないと判断された場合、公的な支援として家庭教師が派遣されます。すべての科目を受けられるというわけではありませんが、欠席している間、学校との関係がなくならないようにすることが目的となっています。親にとっては経済的負担もないので、心強い制度でしょう。
3 少人数制クラス
不登校や学校不適応の中学生のために、4~6週間が3回更新するまで通える、6~12人程度の少人数クラスです。公立教師の団体に委託されていて、無料です。
こうしてみると、フランスでは不登校がある程度起きると想定されていて、不登校になる子の学ぶ権利をしっかり守ろうとしていることがうかがえます。また学校では担任だけが対応するのではなく、複数の教育関係者が対応にあたるので、きめ細かい対応が期待できるでしょう。
フランスの制度をそのまま、日本に導入できるかどうかは、検討する必要がありますが、なんにしても不登校対応では後進国と言える日本でも、もっと対応が必要でしょう。
Comentários