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不登校ブログその856.不登校のご家族に対して、簡単に「学校に行かなくていい」「勉強しなくていい」とアドバイスする人にご注意ください。

 私は、不登校の子は、何が何でも学校に戻らなければならないとは考えていません。同様に、何が何でも勉強しなくてはならないとも考えていません。「何となく学校に行きたくない」「学校に行きたいけれど行けない」ということではなく、もう絶対に学校に行きたくない、という子供はいます。


 詳しい事情や子供の気持ちを聞いて、「これは学校に戻るのは難しいな」と判断される場合はあります。そういう場合は、学校に行く選択肢ではなく、他の選択肢を考えます。例えば、その子が中学生なら、高校から学校に戻る選択肢、高卒認定試験を受けて、さらには大学や専門学校に行く選択肢などを考えます。


 勉強することに対してもそうで、学習障害(LD)があったり、勉強が嫌で嫌でたまらない場合、必要最低限の勉強をおさえて、他の面を伸ばせないか、考えることもあります。


 それ以外のケースでは基本的に、学校に行くことや勉強することを重視しています。特に、勉強することの大切さを重視しています。


 しかし、ブログやツイッターなどでは、簡単に「学校に行かなくていい」「勉強しなくていい」とアドバイスしているケースが見られます。こうしたアドバイスを鵜呑みにすると、短い時間ではいいのでしょうが、後々非常に困る可能性も出てきます。それは、人生が先細りするということです。


 「学校に行かない」というアドバイスをする場合、将来の道をきちんとその子に対して示しているでしょうか。学校以外の道を歩んで、その子がしっかりと生きていける道を、示しているでしょうか。それがなければ、社会に出なくてはならない年齢になった時、苦労するのはその子自身です。


 実際、高校時代に不登校になって、「学校なんてやめてしまって大丈夫」とアドバイスされ、やめてしまって、今は後悔している元不登校の人がいます。通信制の高校に行き、就職しようとしたけれども就職口がなく、仕方なくアルバイトで生活しています。辛い毎日のようです。


 「勉強なんてしなくていい」というアドバイスも、鵜呑みにすると人生が先細ってしまう危険性があります。勉強することは、情報を集める力と、集めた情報をもとに考える力を高めてくれます。「勉強なんてしなくていい」というアドバイスに従うと、そうした力を高める機会を失ってしまうでしょう。


 さらには、何かについて勉強するということは、その分野についてのプロフェッショナルになっていくということです。医学の勉強をすれば、医者というプロフェッショナルになっていきます。天文学の勉強をすれば、天文学者というプロフェッショナルになっていきます。「勉強なんてしなくていい」というアドバイスに従うと、そのようなプロフェッショナルになれる可能性を失わせることになります。


 それでも、人生を切り開く力を持っていたらいいのですが、なかなか簡単にはいきません。特に、コロナの影響で厳しい経済状況となっていますので、プロフェッショナルとまではいかなくとも、何らかの分野に詳しいという状態にはしておきたいところです。


 「学校に行かなくていい」「勉強しなくていい」というアドバイスについては、しっかりと吟味して、従うべきかどうかを決めた方が安心かと思います。







 


 


 



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