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不登校ブログその902.不登校の子は避けにくい「第一の矢」を受けて、「第二の矢」を自分で作り出しているかもしれません。

 自分を傷つける「第一の矢」を避けることは難しいです。誰かから傷つけられるような言葉を投げかけられたり、失敗や挫折をしたりした時、自分を傷つける「第一の矢」を避けて、傷つかずに済むことは困難です。


 生きていると、さまざまな人と出会いますし、さまざまな環境の中で過ごします。さまざまな経験をします。その過程で、第一の矢が飛んできて、それを避けるのは難しいことです。


 しかし、「第二の矢」を避けることは可能です。「第二の矢」とは、第一の矢に象徴される出来事をきっかけに、再びそのことを思い出し、あるいはそこから新しく悲観的な未来や自分を創り出して、それによって自分を傷つけるという行為です。


 不登校の例で言いますと、何らかのことによって不登校の状況になり、その状況の中で、「自分はダメだ」という自己否定感を抱くことや、「自分の将来には希望はない」という悲観的な未来予想図を描くことが、第二の矢に相当します。これらは、自分で生み出して自分を傷つけていることになります。


 第二の矢を創り出してしまうかどうかは、もちろん第一の矢の大小にもよるでしょう。第一の矢があまりにも大きいと、受けるショックは大きいですので、どうしても第二の矢を作り出してしまいます。


 ただ、矢を受けた人の個性にもよる面があります。感受性が高い人は、どうしても第二の矢を作り出してしまう傾向があります。第二の矢を作り出して、自分を刺したりしないようにすることはできないのでしょうか。


 第二の矢を作り出すとき、人間は物語の形にします。その物語について意識して、自分で傷つくのですが、物語の形にするのは、ほんの短い時間であり、止められません。あっという間に、自分でも気づかないうちにやってしまって、止められないのです。


 止められないのであれば、何か方法はないかというと、あります。その方法とは、最初から別のことに集中して、意識が物語を生み出さないようにすることです。集中する対象は何でもいいのです。数を数えることでもよく、楽しかったことをひたすら思い出すことでもよく、好きなことをやることでもいいのです。その時点で可能なこと、すぐにやれることでいいのです。


 最初は、集中しようとしても続かず、第二の矢を生み出す意識になりがちです。ただ、これを少しずつ、毎日続けていくと、集中が長く続いていくことが研究データで明らかになっています。


 自己否定感や将来への失望感が拭い去れないという不登校の子供たちには、「別のことに意識を集中する」という方法を伝えて、徐々に、そうした自己否定感や失望感を生み出さないようにしてあげてください。





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