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不登校ブログその903.人間の脳は物語を製造するようにできていて、自己否定感の強い不登校の子供は、製造した物語でさらに自己否定感を強くしています。その悪循環を止めるには。

 人間の脳は物語を製造するようにできていると言われています。目や耳などの感覚で得られた情報は断片的であり、それをつなぐための物語を脳が製造してしまうのだそうです。


 キャッチボールをしている時など、脳が物語を製造する性質を活用しています。投げられた瞬間のボールを見て、このあたりに飛んでくるという物語を脳が製造し、それによってボールをキャッチしています。


 この、脳が物語を製造する時間は極めて短く、0コンマ何秒の世界であり、だからこそ、キャッチボールのような、瞬時の判断が必要な行為が可能になります。


 そうして製造される物語は、必ずしも真実ではなく、誤解に基づいたものもあります。例えば、誰かがちらっと自分のことを見た時、「あ、あの人は自分のことを嫌っている」と物語を製造することがあります。実際はそうでなくとも、そのように物語を製造する場合もあるのです。


 自己否定感が強い不登校の子供たちは、脳が物語を製造する性質によって、自己否定感を強めています。過去にあった、自己否定感を持たせる出来事を、何度も物語を思い返すことによって、自己否定感を強めたり、あるいは、これからの自分がだめな状態であり続けるという、誤解に基づいた物語を製造することによって自己否定感を強めたりしてしまうのです。


 このような物語を作り出すことを、先に述べましたように0コンマ何秒という、極めて短時間で行っているので、物語を生み出すのを止めようとしても、止めることはできません。


 自己否定感を強める物語を生み出すのを止めることはできませんが、別の物語を生み出すことで、自己否定感を強める物語を生み出さないようにすることはできます。脳は、同時に二つのことを考えることはできませんので、自己否定感を強める物語以外の物語を生み出していれば、自己否定感を強める物語を生み出すことはできなくなるのです。


 その物語は何でもいいのです。単純に数を数えることでもいいですし、面白かった漫画を思い出すことでもいいのです。それを一日の中で一定時間、続けます。最初は、自己否定感の物語を思い出してしまいますが、自分が生み出したい物語を生み出し続けていくと、自己否定感の物語を思い出す時間が少なくなっていきます。





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