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親が、自分ができなかった夢を、子供に託す場合、注意が必要です

更新日:2022年10月4日

 親がピアニストになりたかったのになれなかった、その夢を子供に託して、子供に実現してもらいたいと願い、子供に英才教育を施す、ということがあります。これも親の愛の一つの形でしょう。子供の人生に期待をするのは、親心として当然のことです。自分より素晴らしい人生を送ってほしいと願うのも、美しい親心だと思います。


 ただ、自分ができなかった夢を子供に託す場合、注意が必要です。その夢を、子供が、押し付けられた夢ではなく、自分の夢として一生追い続けることができるかどうか、まずその点に注意しなくてはなりません。自分の夢ではなく、親に押し付けられたと感じる場合、もしその夢を実現できなかったとなると、親を怨むことがあります。先の例で言いますと、ピアニストの夢を託されて、幼いころからピアノ漬けの日々を送り、最終的にはピアニストになれなかった場合、「自分の人生は何だったのか」という空しさから、親を怨むこともありうるのです。


 たとえ、夢を実現できたとしても、その夢を実現していくことを心の底から願うことができなかったら、やはりその日々が子供にとって空虚なものになります。

 劇画「ゴルゴ13」でこういう話がありました。息子をゴルゴに狙撃されて殺された、ある大富豪の話です。一代で成り上がったその大富豪は、成り上がるために味わった自分の苦労を息子にさせまいと、息子に帝王教育を行います。尊敬される後継者になれるよう、レールを敷くのですが、それが突然、ゴルゴに殺されます。


 ゴルゴに復讐しようと、その大富豪はさまざまな計画を実行するのですが、数年の時をこえて、生前の息子から手紙を受け取ります。そこには、父親にレールを敷かれて、そのレールを歩むことしかできない状況を恨んだ言葉が書かれていたのでした。自分の人生に絶望したものの、かといって親に反抗もできない、だからゴルゴに自分を狙撃させることが、親への復讐だと書かれていました。


 真実を知った大富豪は、「ただお前を、尊敬される後継者にしたかっただけなんだ」と涙し、絶望して、狙撃しようと狙っているであろうゴルゴに、自らの体をさらして狙撃させる、という形で、物語は終わったのです。


 悲劇的な物語ですが、親が夢を押し付けてしまうと、大なり小なり、そういうことが起こりうることを、注意すべきなのでしょう。










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