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不登校カウンセリングブログその1009.「不登校の子供たちの自己否定感を軽くしてあげるにはpart.3―他人に過剰に合わせようとして抱く自己否定感―」

更新日:2022年12月1日

 特に思春期の子供たちに多いケースですが、自意識の高まりや、他人との関わりを強く意識するようになり、他人に過剰に合わせようとしてしまうことがあります。大人になれば、自分は自分、他人は他人というふうに意識して、他人とうまく合わせつつも、自分をなくしてしまうということはないでしょう。まだ、他人との距離をうまく取れない思春期の子供は、他人を意識しすぎてしまって、他人に過剰に合わせようとして、自分がなくなってしまう気持ちになることがあります。


 表面上は友達といい関係を持っているように見えても、子供は、「本当の自分は違うのに」という思いが心の奥底にあります。その状態を続けていくと、やがて自分のことが嫌になっていくことがあります。そうして、「自分はダメなんだ」という自己否定感を、心に抱くことがあります。


 このような自己否定感を小さくしていくために、周囲が働きかけるのは、なかなか難しいところがあります。思春期特有の自己否定感が軽くなるには、子供に、ある程度の精神的な成長が必要であり、それには時間の経過が必要だからです。そのように時間の経過を待たなくてはならない面があって、このタイプの自己否定感による不登校の状況が変わっていくには、若干時間がかかると考えた方がいいのかもしれません。


 そうすると、このタイプの自己否定感を軽くしてあげるために、親御さんができることは、ある程度の時間がかかることに耐えるということになるでしょう。もちろん、後で述べますように、子供に対してコミュニケーションは行いますが、それによって効果が出るまでには時間がかかり、変化がないように見えてもそのことに耐える、ということが、親御さんに必要なことなのでしょう。


 しかし、時間がかかることに耐えることだけでは不十分でしょう。もっと積極的に、子供の抱えている自己否定感を軽くするためのことが必要です。


 それには、他人のことを意識して、合わせようとすること自体は、悪いことではないということを伝える、ということがあります。幼い時であれば、他人のことを意識することはなく、どちらかというと自我を通す傾向が強いのです。しかし、大人になっていく思春期において、他人のことを意識し、他人に合わせようとするのは、他人との関わりにおいて調和していこうということでもあり、精神性が高くなってきているということです。そのことを子供に伝えて、自己否定感が少しでも軽くなるようにしてあげてください。


 他人と調和しようとすることは、大人になって組織に所属すると、人間関係の調整能力や、組織において人々をうまく配置する「コーディネイト能力」につながっていきます。問題なのは、まだ他人とのスタンスの取り方が未熟なため、自分がなくなってしまうと感じるほど、他人に合わせすぎでしまうことです。


 そうならないようにするには、少し時間がかかるのでしょう。他人に合わせつつ、調和しつつ、自分のことも主張することができるようになるには、さらに精神的に成長しつつ、他人との関わりにおいて「慣れていく」ことが必要です。深刻に考えすぎないよう、そういうことも子供に伝えてあげてください。






  

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