不登校カウンセリングブログその1049。「感謝の心」が不登校の状況を変えます。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年2月19日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月23日

これまでたくさんの人を見てきて、一つ分かったことがあります。それは、ありがとうという「感謝の心」を持っているかどうかで、人生が大きく変わるということです。あるいは、幸福な人は感謝の心を持っているということです。
感謝の心を持っているから、幸福になるのか、幸福になるから感謝の心を持っているのか、つまり卵が先か、鶏が先かは分かりません。
ただ、感謝の心は、人生を大きく変えるということは、確実に言えると思うのです。
ですので、もし、不登校の状況にあって、その状況を変えたいという子供、あるいは親御さんがおられるのでしたら、感謝の心を持つことをお勧めいたします。
不登校の状況の中で、ありがとうという感謝の心を持つなんて、できるのかと思われる方もおられると思います。自分自身が不登校の状況にある、あるいはわが子が不登校の状況にあるのに、何に対して感謝ができるのか、そんな状況の中で、感謝なんてできるのか、ということです。そのような気持ちを持たれるのは分かります。自分が大きな苦しみの中にあって、感謝の心を持つことは難しいです。
ただ、不登校のような苦しい状況にあり、何かが失われたと思う状況であっても、自分に残されているものはあるはずです。子供であれば、自分を守ってくれる親という存在、不登校になることのできる環境である家庭という場所、自分のことを心配してくれている先生やクラスメートなど、残されているものはあります。親御さんであれば、愛するわが子という存在、夫、妻、家庭という場所、職場、ママ友など、残されているものはあります。
子供が不登校になって、失われたものは大きいかもしれませんが、それによって何もかもが失われたわけではありません。不登校の状況にあっても、残されたものはあります。その残されたものがあることに、感謝の心を持つことはできます。
感謝の心を持つことができないのは、不登校のような、何かが失われたと思うような状況ではつい、失われたものにばかり意識が向かってしまって、残されているものに意識が向かわないからです。得たものについては、どうしてもそれが自分にあるのは当然だと考えてしまいます。
しかし、本当は当然ではないかもしれません。自分のところにあるものだと思っていても、本当はそうではないのかもしれません。そう考えると、自分に残されているものに対して、「ありがたい」という感謝の心を持つことができるかもしれません。
では、どうして感謝の心を持つことで、不登校の状況を変えることができるのでしょうか。
不登校の子供自身が、感謝の心を持つことで不登校の状況を変えることができる理屈は、簡単です。それは、感謝の心を持てる心の状態が既に、前向きになっているからです。感謝の心を持っているということは、自分が失ってしまったものよりも、まだ残されているものに意識を向けているはずです。そして、「まだまだ自分にはこういうものが残されている。ありがたい」と感じているはずです。
そうすると、人は、その残されたもので何か自分にできることはないか、考えます。子供であれば、自分には支えてくれている親がいる、こうして避難できる家がある、時間もある、だからそれらによって何か自分にできることはないか、と考えます。
感謝の心を持つまでは、そういう考えになるのは難しかったでしょう。失ってしまったものの方にばかり、意識が向かってしまって、「自分はダメなんだ」「自分の将来はダメなんだ」という、後ろ向きな意識になってしまいます。
しかし、感謝の気持ちになると、そういう後ろ向きの意識が、前向きに変わっていくのです。
感謝の心になると、不登校の状況を変えることができるもう一つの理由は、「報恩」の思いが伴うからです。与えられているものや残されているものに気づき、感謝することで、「自分もお返ししたい」という報恩の気持ちになれるのです。「感謝」と「報恩」は一体の気持ちです。感謝の気持ちを持てば、報恩したいと思います。
では、どうすれば感謝の心になれるのでしょうか。それについてはこれまで述べたことである程度、説明したことになりますが、残されているものに意識を向けることでしょう。まだ自分には残されているものがある、すべてを失っているわけではなく、それで不幸になっているわけでもなく、まだまだ残されているものがあると考えることができれば、感謝の心を持ちやすくなるでしょう。
家族が、不登校の状況にあると、どうしても不幸感覚が強くなってしまいます。ただ、感謝の心を持つことで、その感覚を弱めて、「自分にもまだやれることがある」と前向きになれると思います。
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