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不登校カウンセリングブログその1109.フリースクールや塾に行かなくとも、不登校の子供たちが自主的に勉強するためには。

更新日:2022年10月22日


 不登校の状況から脱出するために、塾やフリースクールを活用するということは、有効な方向だと思います。そういう存在は、不登校の子供たちにとって助け舟となるでしょう。ただ、誰も彼もが塾やフリースクールを活用できるわけではありません。都市部でなければ、フリースクールはありませんし、経済的な理由で通えないこともあるでしょう。それらのものを活用できないと、不登校の状況から脱出できないのでしょうか。


 個人的には、そのようなことはないと考えています。子供たちが、100%ではないにせよ、自主的に勉強に取り組むようになれば、フリースクールや塾に行かなくとも、将来、進みたい道に向かって進んでいけると思うのです。


 幕末の大阪に、「適塾」という私塾がありました。緒方洪庵という人が建てた塾であり、以前、現代の医師が幕末にタイムスリップする「仁」というドラマで、武田鉄矢がこの緒方洪庵を演じていたので、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。その人物が開いた私塾であり、吉田松陰が開いた私塾、山口・萩の「松下村塾」と同じように、福沢諭吉や橋本佐内など、日本を改革した人材を輩出しました。


 その適塾では塾生たちは、医学と蘭学(オランダ)を学んでいましたが、塾に蘭和辞典「ズーフ・ハルマ」は一冊しかなく、昼夜を問わず塾生たちはズーフ・ハルマを引いて、分からない言葉を調べては、知識を吸収していったと言います。


 そのような時代から比べると、現代は、勉強するのに非常に恵まれた環境にあります。

勉強するための参考書や問題集はたくさんあります。そのような環境の中で、絶対に塾やフリースクールに行かないと、勉強できないとは思えないのです。


 そのようなことを聞くと、「やはり、塾やフリースクールに行く必要があるのではないだろうか。自宅で一人で勉強することは難しいのではないか」と危惧される方もおられるでしょう。その危惧には、二つの意味があります。一つは、「勉強が苦手で、一人で勉強していても分からないのでは」という面です。これは、解説のしっかりしている参考書を準備することで、そのような事態をある程度、避けることができます。


 もう一つの面は、勉強へのやる気が出てこない、あるいは続かないのでは、という面です。不登校の状況にあるため、かなり勉強に遅れが出ているはずです。その状況で、勉強へのやる気を持続させることは、難しいのではないかと不安になります。


 ただ、子供たちにしっかりと、勉強することが人生にどうかかわってくるか、話しておけば、「本当に勉強したい」と子供たちは思うようになり、勉強へのやる気を持続させることができると思うのです。「将来必要だから」と、勉強する意味や目的を十分に伝えず、勉強することを勧めても、勉強へのやる気を持続させることは難しいでしょう。


 私は、すべての人には何らかの使命があると考えています。そして、その使命を明確につかむためには、いろいろなことを考えるための知識や、考える力が必要です。知識や考える力は、勉強することで得られるものです。つまり、使命を明確にするために、勉強することが必要なのです。


 その考える力は、使命を明確にする際に必要なだけではなく、人生を切り開く際にも必要です。生きていて壁にぶつかったら、その壁をどう乗り越えていけるか、やはり考える力が高いと、乗り越えるべき方法を見つけやすくなります。


 勉強することの意味や目的をきちんと伝えたら、少々分からない問題にぶつかっても、何とか理解しようと努力しますし粘ります。やる気も持続させることができ、一人でも進んで勉強することができると思うのです。







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