不登校カウンセリングブログその1115.「不登校のわが子が、将来はニートになるかも」という不安に、どう対処すればいいのでしょうか。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年4月26日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月22日

わが子が不登校になっている親御さんの、最大の不安は、「将来ニートになるかも」というものでしょう。不登校の状況が続いていけば、確かにニートになります。「5080問題」というものがあります。50代の子供を80代の親が世話をするという問題ですが、そのすべてが不登校だったわけではないにせよ、ニート問題があるということを示しています。このような不安に、自分自身でどう対処すればいいのでしょうか。
まず、不安な気持ちを自己分析していくことが、対処の一つとして挙げられます。「こういうことだから自分は不安になるんだ」と分析することで、なぜ不安になるのかを理解し、不安な気持ちを小さくすることができます。
人間の心は、将来に不安を感じるようにできています。これが、他の動物と違う点です。動物は今の事しか考えられませんが、人間は先のことを考える思考力を持っています。そして、将来に備えようとします。将来のことは誰にも分からない、それゆえに将来に備えるという考え方をするようになるのですが、それが将来への不安を生み出してしまうのです。
もし、将来について楽観してばかりいたらどうでしょうか。その時点では気楽でしょうが、いざ、時間がたって何か自分にとって都合の悪いことが起こった時に、何も備えていなかった分、非常に困ることになります。そういうことを防ぐために、まだ将来に何が起こるか分からない、今の時点では、将来に対して不安になる傾向が、人間の心にはあります。
不登校のわが子を見て、「将来、ニートになるかもしれない」という不安で、苦しくてたまらないという親御さんがおられたら、そう考えてしまうのは人間の心の傾向から、仕方がないことだとお考えください。不登校の結果のニート、という将来への不安に限らず、将来への不安は人間につきものです。
ただ、そういう不安があるからこそ、「わが子をニートにしないよう、頑張ろう」という気持ちが強くなることもあると思うのです。将来に対して不安を持ち、その不安を出来るだけ小さくしたいと願うからこそ、将来に向けて努力していきます。将来への不安は、より良き将来を実現しようと努力するための、原動力となります。
「子供のことを信じてください」というふうに、親御さんに言葉をかけることをすぐにはしません。そのような言葉を心で受け止める余裕がある場合でしたら、そのような言葉をお伝えします。それ以外の場合、親御さんご自身が悩み、苦しみ、大きな不安の中におられる場合は、「子供のことを信じてください」という言葉をお伝えしません。そのような場合は、「子供さんが不登校の状況から脱出するか、そうなりそうにならないと、ニートになるかもしれないという不安は、小さくならないです」とお伝えします。その不安としばらくは戦わないといけません。
そのためには、今、子供のためにやるべきことをやるしかないのです。将来を変えるには、今、努力するしかないのです。将来はまだ、自分のところにやってきていません。そのために、不安が生まれてくるのですが、その不安と戦うためには、今、やれることをして、ニートになるかもしれない将来を変えていこうと、心を自分でコントロールするしかありません。
1年後、あるいは数年後に、受験を控えているとします。「不合格になったらどうしよう」という不安な気持ちを、受験生はある程度、抱えています。その不安な気持ちを小さくするには、やはり今、努力するしかないでしょう。不安な気持ちを嘆くだけでは、合格の可能性は高まっていきません。今、できる努力をしていくことが、将来の不安と戦う最大の方法です。
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