不登校カウンセリングブログその1132.不登校のわが子に親御さんが伝えるべきことは、親御さん自身も自らに問うべきことです。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年5月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月22日

不登校のわが子に伝えたいこと、伝えるべきことは、たくさんあると思います。「落ち込まないでほしい」「その状況から幸福になってほしい」「私はずっとあなたの味方だ」等々、わが子を励まし、元気づけるための言葉はいくらでもあるでしょう。
その中で、特に重要だと思われることがあります。それは、
1.苦しい環境で将来に希望を見出し、その環境でできる努力をしていく
2.さまざまな挫折や失敗、苦しみに直面した上で、自己肯定感を取り戻していく
ことです。なぜこれらが特に重要だと考えるかといいますと、不登校の状況から脱出するために、これらがカギとなるからです。
不登校のような、苦しみを感じる環境では、将来に希望を見出すことは難しいです。苦しい環境の中にいると、その苦しみがそのままずっと続きそうに考えてしまいます。そう思い考えてしまいますと、将来に希望を見出すことはできません。希望を見出すことができなければ、将来もずっと、今の環境が続き、苦しみが続くと思い込んでしまい、努力する気力がわいてきません。
そして、努力しなければ、ずっと今の不登校の環境、苦しい環境が続くでしょう。不登校の環境でも努力すればこそ、その環境から脱出できるわけであり、子供自身が努力しなければ、不登校の環境から脱出することはできません。
また、不登校の子供の大部分が抱いてしまっている、「自分はダメだ」という自己否定感は、子供が前進することを妨害します。そのように自己否定感を抱いている状態では、自信を持つことができません。今の不登校の状況の中で、自己否定感を、100%ではなくとも、小さくしていくことが必要です。そして、自己否定感を小さくしていくということは、ダメだと思う自分の中に、可能性を見出していくということになります。
これらを言葉として、わが子に伝えること自体は、さほど難しいことではありません。これらを自分の言葉にして、伝えればいいのです。
しかし、それで子供に対する説得力が出てくるかどうかはまた、別の問題です。そうした言葉を聞いたとしても、子供がそれらを受け入れるかどうかは、親御さん自身が実践できているかどうかによります。少なくとも、実践しようとしている姿勢が必要です。
ある言葉を伝える時、それを実践している場合といない場合とでは、その言葉の影響力が変わってきます。不思議なもので、いくら言葉を飾ってみても、いい表現を使ったとしても、その言葉を実践できていなければ、聞く相手に対する説得力が出てこないのです。それとは逆に、伝える言葉をきちんと実践していると、説得力がついてきます。
そこで、これら二つのことを伝える場合、親御さんが実践しているかどうか、
時、実は親御さんもご自身に問わなくてはなりません。すなわち、
1. わが子が不登校になっているという状況の中で希望を見出し、そこでできる努力をしているかどうか
2. わが子が不登校になって「子育てに失敗したのではないか」と落ち込んでいる状態から、親としての自己肯定感を取り戻そうとしているかどうか
ということを実践しているだろうかと、自分自身に問うということです。
それらを実践している状況、実践しようとしている状況で、子供にこれらの言葉を伝えることで、子供はその言葉に真実を感じ取ります。言葉を伝えてきている親が実践していることは、そばにいて分かりますから、その言葉には嘘はないと信じてくれます。
もちろん、子供の心の状態によっては、すぐにそう考えてくれるわけではありません。心の傷が深い場合、自己否定感が強い場合、親からの言葉を聞いても「そんなことはない!」と反発することもあるでしょう。
しかし、親が実践しながら、言葉を根気強く伝えていくことで、子供はその言葉に耳を傾けてくれるようになります。
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