不登校カウンセリングブログその1149.不登校の子供が反発する時―避けたい、「子供の心を理解しようとしない」場合の反発―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年5月30日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月22日

不登校の状況にある子供と接していて、「そんなことわかっている!」とか「大丈夫って言っても、そんな根拠あるの?!」というように、反発されたという経験はないでしょうか。おそらくほとんどの親御さんに、そうした経験はあると思います。
できれば、子供から反発されることは避けたいところです。反発するというのは、親からのコミュニケーションを拒否しているということであり、それが積み重なってしまうと、親子の関係が切れてしまうこともあるでしょう。
特に避けたい反発の形は、「子供の心を理解しようとしないで、親の都合を押し付ける」形です。「子供の心が理解できなくて」ではなく、「子供の心を理解しようとしないで」というところに注意が必要です。
不登校の状況にある子供の心の状態は、周囲の人からは理解しにくいことがあります。まず、子供が自分の心の内を、他の人に言おうとしない傾向があるからです。不登校の状況から脱出してから、子供が、「あのときはこう思っていた」というふうに打ち明けることがあります。傷ついた心の内を知られたくないという気持ちや、親に心配かけたくないという気持ちなどから、不登校の状況にある時は心の内を表に出そうとしないのです。
子供自身が、自分の心をよく理解できていないこともあります。不登校の原因が、はっきりとしない場合、時々見られます。思春期の子供は、自分でも自身の心を理解できていないことがあり、学校が嫌とか友達が嫌とか、そういうわけではないけれども、なぜか学校に行けないのです。子供が自分でも自分の心が理解できてないのですから、周囲の人にはもっと理解できません。
こういう場合は、「子供の心が理解できなくて」、子供から反発されることはありますし、仕方がないのです。問題となるのは、親が最初っから、子供の心を理解しようとしない場合の反発です。
たとえば、子供が疲れ果てていて、もうこれ以上学校に行けない心の状態であるのにも関わらず、その心を理解しようとしないで、「さっさと学校に行きなさい!」と子供に強く迫るようであれば、子供は強く反発してくるでしょう。子供の心を理解しようという姿勢がそこにありませんので、子供は「親は自分のことを理解しようとしてくれない」と考えて、反発します。自分のことを理解しようとしない親の姿勢は、子供にとって信頼を大きく損ねてしまいかねません。それが続けば、子供はやがて親のことを信頼しなくなっていくでしょう。
不登校の状況が続き、子供が親にまったく何も話さなくなっていくことがあります。これは、親への信頼感が薄れてしまって、「もう何も話すまい」と考えてしまっているからです。「心を閉ざす」ということです。こうなると、親の話すことに子供は耳を貸さなくなります。
不登校が解決するまでの時間を短くしたいというのは、すべての親御さんの願いでしょう。一日でも早く、不登校を解決して、子供に前進してもらいたいと、親御さんは願うはずです。その願いを実現するには、親子間のコミュニケーションを維持しておくことが絶対に必要です。親子間のコミュニケーションがきちんとなされていれば、親から子供に伝えたい言葉を、そのコミュニケーションにおいて伝えていくことができます。その言葉を聞いて、子供は心の内にある悩みや苦しみを解消し、前に進もうという気持ちになれます。結果、不登校の解決が早くなるのです。もし、子供の心を理解しようとしないために、子供の反発を招いているのでしたら、それとは逆に不登校の解決は遠のきます。
時には、子供の反発を招く言葉を、それと承知して伝えなければならないこともあります。子供の苦しみや辛さに共感するだけでは、それ以上、状況に変化がない場合などは、「子供は反発してくるだろう」ということが予想されながら、励ましや勇気づけのための言葉を伝えなければならないことはあります。
しかし、そうした場合を除き、子供の心を理解しようとしないで招く反発は、できるだけ避けるべきです。避け方は簡単で、子供の心を理解しようと努めることです。すべてを理解できるわけではありませんが、常に子供の心を理解しようと努力することはできます。そういう親御さんの姿勢が、いわゆる「愛」なのでしょう。
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