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不登校カウンセリングブログその1159.感受性の高い不登校の子供は、人間関係をどのように乗り越えたらいいのでしょうか。

更新日:2022年10月22日




 前々回のブログ「不登校ブログその1157.感受性の高い不登校の子供は、人間関係にどのように苦しんでいるのでしょうか」に引き続き、感受性が高いゆえに不登校になった子供が、悩みのもとである人間関係をどう乗り越えたらいいのか、書いていきます。


 前回のブログでは、その悩みを次のように分類しました。


 1.自分がどう思われているか気になって仕方がない

 2.周囲の人間に合わせようとして、自分がなくなってしまう気がする

 3.ガサガサした人間関係に神経が疲れてしまう

 4.自分への他人からの言動で傷ついてしまう


 正直なところ、人間関係を乗り越えるといっても、クラスや人間関係がすぐに変わるわけではありません。また、成長するにつれて他人のことがあまり気にならなくなるという子供もいて、その場合は成長というプロセスを経ていますから、いずれにしても時間がかかることです。


 短期的には、人間関係をきっかけにして、不登校になった自分を「自分は他人とうまく人間関係を持てない、ダメな人間なんだ」と子供が考えないように、周囲の人が支えることが、必要なことでしょう。


 同じ年齢の人間ばかりが多数集まり、一日の大半を同じことをして過ごすという空間は、社会に出たらほとんどないでしょう。そういう空間の中の人間関係に、息が詰まる思いがしても、不思議ではありません。学校にはそういう特殊な面があり、そこでの人間関係に疲れてしまうからといって、決して落ち込むようなことではないということを、子供に伝えてあげるべきでしょう。


 実際、不登校の状況から脱出し、社会に出て、いろいろな人と接して普通に過ごしている元不登校の子から、「あの時は、いったいどうしてあそこまで、気になっていたんでしょうかね(笑)」という話を聞くこともありました。「学校でみんなと同じことをしなくてはならないことに、違和感を感じていて、他人のことがすごく気になる年齢でもあった」と、当時の気持ちを話していました。学校にいたころは人間関係で息がつまり、うまくいかない自分のように思えても、大人になり社会に出たらまた、違った自分を見出すこともあります。


 他人とは違う個性を持っている子の場合、学校にいることが疲れ、同じ年代の子供と過ごすことに疲れてしまうことがあります。例えば、芸術的センスが高い子供が、やはり人間関係に疲れてしまって、不登校になることがあります。そういう子供がすべて、人間関係に疲れるわけではないのでしょうが、独特な芸術的センスがあるために、他人の言動に疲れやすくなることもあります。また、将来、自分で起業する、起業家精神を持っている場合にも、やはり他人と同じことをしなくてはならない生活に疲れてしまって、不登校になることもあります。


 本来は素晴らしい個性を持っているのに、それが学校の集団では不適合を起こしてしまって、「自分はダメだ」と子供が落ち込んでいるのであれば、それは気の毒です。「今はまだ、形にはなっていないけれど、目には見えていないけれども、あなたには素晴らしい個性がある。そのために多くの人の中にいると疲れてしまうところもあるけれども、それは気に病むことではなく、必ず将来、その個性が輝きだすと思う」と励ましてあげるのも、いいのかもしれません。


 たとえ、そういう個性がないように見えても、感受性の高いという個性は、認めてあげるべきでしょう。その感受性の高さが、学校という特殊な空間での人間関係にいることで、子供に気疲れを生じさせているわけですが、その気疲れを他の子はあまり感じていないのですから、他の子は感じていないものを感じ取るという、感受性の高さは褒めてあげるべきでしょう。


 そうして、子供が落ち込まないように子供の個性を認めつつ、「他人の言動を流す」あるいは「気にしないようにする」ようになれば、これから先の人生において、生きるのが楽になる、ということを子供に伝えることも必要でしょう。他人のことが気になる子供に、「あまり気にしないでね」と伝えたからといって、すぐに実行できるわけではありません。時間はかかりますし、「可能であれば」というぐらいにとどめておいた方が、子供へのプレッシャーにならないでしょう。今、できないことを勧めても、子供の焦りや絶望感につながる危険性があります。


 ただ、「他人の言動を流す」ということを心がけて、何度もトライしていくと、心の傾向性がそのように変わっていきます。


 




 

  


 


 

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