不登校カウンセリングブログその1169.不登校が解決するまでの時間を短くするためには
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年6月19日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月21日

結論を先に書きますと、不登校が解決するまでの時間を短くするためには、「子供の抱えている悩みや苦しみを、できるだけ早く取り除いてあげ、そして、自信や希望を抱けるようにしてあげられる」ことだと考えています。
もちろん、不登校になった理由にいじめなど、外部にある場合は、それを速やかに解決する必要があるのは当然です。ただ、それ以外では、子供の心の状態が、不登校の解決にかかる時間の長さを決めるカギとなります。
いじめの場合は、これは子供の心の状態の問題ではありません。学校の問題です。学校が安全な教育の場を提供するという義務を負っています。そのような場になっていないのでしたら、学校が速やかに対処しなければならず、そこに「不登校がどれぐらいの期間になるか」がかかっています。
ただ、それ以外の場合は、子供の心の中にある悩みや苦しみを、いかに速やかに取り除いてあげられるかどうかが、不登校の期間を決めるカギとなります。不登校は、さまざまなことが子供の心に影響し、子供の心の中に、自己否定感や自分の将来への絶望感などの思いが生じることによって起きています。それらが不登校の状況を生み出している源です。そこを取り除いていかなければならないのです。
そのことを無視して、「早く不登校を解決したい」と周りの人が願い、子供を学校に行かせようとしても、不可能です。心の中の状態が、学校に行ける状態になっていません。
つまり、「不登校を早く解決したい」「早く学校に戻したい」というのは、あくまで親の視点からの願いなのですが、子供の視点からの願いはまた、別ということになります。すなわち、「自分の心の中にある悩みや苦しみを消していきたい」「自信が持てるようになりたい」「希望が持てるようになりたい」ということ、もっといえば「幸福になりたい」ということが、子供の視点からの願いなのです。
私が、不登校カウンセリングでまず、子供の心の状態をよく見ていただき、そこにどのような悩みや苦しみがあるかを理解していただき、それらに対して共感していただくよう、おすすめているのは、そういう子供の願いをできるだけ実現してあげることが、不登校を解決する道であるからです。
では、どうすればいいのでしょうか。そのために必要なことはいくつかあります。
まず、親御さんの「思い」です。「不登校を早く解決しよう」「早く学校に戻そう」という思いを持つのではなく、「子供の心の中にある悩みや苦しみを、早く取り除いてあげよう」という思いをもつことが必要です。
他人と関わる時、どのような思いを持っているかが、その人間関係を決定します。表面上、相手の耳触りのいい言葉を伝えたとしても、心の中にある思いに、相手を利用しようとか、だまそうとか、実は嫌いだけれども表向きはうまく付き合おうとか、そういう思いを抱いていたら、その思いが相手に伝わります。相手には、言葉の嘘を見切られてしまうのです。不登校の子供と関わる場合も同様です。まず、思いを整えることが必要です。
あとは、心の状態に合わせるということです。自分が伝えたい言葉が、子供の心の中に入っていくかどうかは、子供の心の状態による面が大きいです。ものすごく落ち込んでいる時や、悩んでいる時に、明るい言葉はなかなか伝わりません。伝える言葉の内容と、心の状態とに、落差がありすぎるからです。子供の心の状態をよく見て、自分が伝えようとしている言葉が本当に、心の中に入っていくかどうか、見極める必要があります。
そしてもう一つは、言葉の内容です。伝えようとしている言葉の内容を、普段から良く考えていて、磨いていれば、それは子供の心に入っていきやすいでしょう。
例えば、子供が「勉強なんてする意味がないから、学校に行きたくない」と感じていると仮定します。その場合、その子に勉強する意味を伝えるのが、子供の悩みを解消するための方法となります。
では、その勉強する意味とはどういうことになるのでしょうか。親が、勉強する意味をどれだけ深く考えているかで、勉強する意味が変わってくるでしょう。勉強することを、学歴をつけるためであり、学歴社会をより上手に生きていくためのものだ、というふうに考えているとしたら、そういう言葉になります。もっと生きることの根源に関わるものだと考えていたら、やはりそういう言葉を伝えることになります。その結果、子供への説得力や影響力が変わってきます。
不登校を解決するための時間を短くするためには、以上の点を考慮する必要があります。
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