不登校カウンセリングブログその1173.学校に戻らないという道もあります―不登校の「解決」の選択肢―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年6月23日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月21日

一般的に、不登校の解決は、「今までの学校に戻る」か「転校する」か、進学と同時に「新しい学校に行く」か、つまり「学校に戻る」という形をとります。また、不登校の状況にある子供や親御さんの多くが、そのように解決することを望みます。
確かにその方が、楽な面はあります。子供自身が安心するということはあるでしょう。他の子が学校に行っている中で、自分は学校に行っていないという状況は、不安や孤立感を感じてしまうでしょう。親御さんにとっても同様です。
経済的に楽ということもあります。これは親御さんにとっては切実です。学校には税金が投入されていますので、そこにわが子が通うことは、その恩恵を受けることになります。
子供が社会に出ていくことを考えても、「学校に戻る」という形は、社会に出るまでの舗装された道を歩くことにもなり、道から外れるというリスクを軽くすることができます。学校に戻り、周りから遅れないようについていけば、舗装された道を進んでいけますので、よほどサボらない限り、社会に出ていくことはできます。
ただ、「学校に戻る」ことだけが、不登校解決の形ではないです。「学校に戻らない」という選択肢を選び、社会に出ていくことはできますし、現実にそういう選択肢を選んでいっているケースはあります。
日本ではまだ、正式には家で学習するホームスクーリングは、制度として認められていませんが、家で学習していき、社会に出ていくための力やスキルを身につけていくという選択肢です。
この場合の選択肢は、
1 大学に行き、社会に出ていく
2 専門学校に行き、社会に出ていく
3 大学や専門学校に行かず、社会に出ていく
という形で、社会に出ていくことになることが考えられます。
1と2の場合は、厳密には、「学校に戻らない」という選択肢にはならないのかもしれません。ただ、それまで通っていた小学・中学・高校には戻らないという形ではありますので、「学校に戻らない」という選択肢としてとらえました。
この場合は、家で勉強していって学力を身につけ、「高等学校卒業程度認定試験」を受けて合格し、大学や専門学校に入ることになります。この場合、子供は、自由な時間の中で自己管理していく必要があります。また、大学や専門学校についての情報、自分が進みたいと考えている進路の情報を集めていく必要があります。
3の場合は、ややリスクの高い選択肢です。何か特殊な才能があり、それが他人の目からも明らかで、他人からも認められるような場合は、その才能で「食べていける」ようになります。具体例として挙げると、ミュージシャンなどはそうでしょう。あまり詳しくはないのですが、デモテープを音楽会社に送るとか、今でしたらyoutubeやtik tokで演奏したり歌ったりしている動画をあげ、それが広く認められるとか、そういうふうにして社会に出ていく形です。
あるいは、アルバイトをしながらそこで仕事能力や経験を積み、ステップアップしてどこかの会社に採用されるとか、あるいはお金を貯めて自分で商売をするとか、そういう道もあります。
この場合、最初は決して、条件のいい形にはならない点に、注意が必要です。以前、アルバイトをしていた時、その会社で親しくしていた人が、理由は聞いていないのですが、高校卒業の学歴がなく、しばらくはかなり苦労したと話していました。中卒ではどうしても、働く先の時給が安かったり、待遇条件があまりよくなかったりして、それらがいいところはどうしても高卒以上の学歴が必要だということを、しみじみ語っていました。
その人の場合は、従業員が4人ぐらいの、小さな会社でアルバイトとして働き、そこでその働きぶりが認められて正社員になりて、ようやく条件のいいところで働くことができましたが、場合によっては、ずっと条件の良くないところで働くことになっていたかもしれません。
いずれの選択肢にしても、一般の人があまり通らない道を歩んでいくことになります。ややリスクの高い選択肢、特に「3」はかなりリスクの高い選択肢になります。途中でうまくいかなくて、落ち込むことや希望を失いそうになることもあるでしょう。ただ、子供の強い意思があれば、道を切り開いて進むことができます。
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