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不登校カウンセリングブログその1186.長い期間の不登校の安定期。必要なことは、その状況の中で希望を持ち、努力し続けること。

更新日:2022年10月21日

 

 私事になりますが、私のこれまでの半生の中で、一番長く耐え続けた期間の長さは12年間でした。年齢で言えば、28歳から40歳までです。あることを実現しようとして、毎日毎日、コツコツと努力していくのですが、なかなか実現できませんでした。最終的には、それは違った形で実現されました。「こうしよう!」と願っていた形ではなく、それが違う形で実現されたのです。


 その12年間は、いくら努力しても願ったことが実現せず、非常に苦しい思いをしました。一日の自由になる時間のほとんどを、実現のための努力に費やしたものの、何も実現できず、まったく自分の周囲の環境にも変化はなく、「本当にこの努力が実を結ぶのか」と時々不安な思いにとらわれることもありました。


 ですので、不登校の段階の中でも、比較的長く続く「安定期」の中で苦しい思いをしている親御さんとお子さんの気持ちは、わずかにすぎないかもしれませんが、少しわかるのです。本当にこの不登校の状況から脱出できるのか、今の状況の中で、不登校の状況から脱出しようと努力しているけれども、その努力は実を結ぶのか、そういう不安な気持ちを抱えておられるのでしょう。


 不登校の「安定期」は、短い場合では数カ月ですが、長い場合だと数年続きます。それだけ続く「安定期」の中で、親御さんも子供も、どうやって耐えていけばいいのでしょうか。


 私の場合、その期間の自分を救ってくれたのは「希望」でした。「今は苦しいけれども、今の苦しい環境は必ず変わる。そして、望みの方向に向かって行ける」という希望が、当時の自分を救ってくれました。


 このことを説いている人は多いです。「希望」があったからこそ、苦しい環境の中でも耐えて、努力し続けることができたと。将来は明るい、今よりも素晴らしくなるという「希望」は、苦しい状況の中でも前に進むエネルギーとなります。そのような希望を持っていることで、明るくなれるからです。


 今の苦しい環境から脱し、素晴らしい方向に進もうとするには、そのための努力が必要です。努力を積み重ねていく必要があります。不登校の状況にいる親御さんであれば、子供さんにコミュニケーションし続けることや、子供の環境をできるだけ整えること、進路についてアドバイスすることなどが、その努力になるのでしょう。子供さんであれば、自分の気持ちを奮い立たせようとすることや、学力や体力を取り戻そうとすることが、その努力になります。


 そうした努力は、すぐには実を結びません。努力「し続ける」ことが必要です。その時、先ほどの「希望」が深く関わってくるのです。苦しい環境で、努力してもすぐに変わらないように思える中で、努力し続けることは大変です。その時、「きっと、こういう素晴らしい結果になる」と希望を持っていたら、それがエネルギーとなって努力し続けることができます。


 もしかしたら、希望していたことが100%そのまま、叶わないかもしれません。私のように、希望とは別の形で叶うこともあります。それでも、少なくとも今の環境よりも前に進むことができるはずです。


 身の回りで、「運が良くないな」と感じる人がいますが、そういう人はたいてい、自分が置かれている環境に対して嘆きながら、できる努力をしようとしないのです。その環境でできる努力はあるのですが、それをやろうとしないのです。そういう人は、環境を嘆きながら、希望を持っていないのです。希望がないので、努力しようという思いになれないのでしょう。もったいない話です。


 では、どうすれば希望を持てるかという話になります。これは、「あなたはこれから先の人生、何をしたいですか。何を成し遂げたいですか」という質問に答えることで、出てくるものなのでしょう。やりたいこと、成し遂げたいこと、別の言葉で言うと、「志」ということになるのでしょう。「志」を持つことで、それが「希望」を生み出し、その「希望」が前に進むための「努力」の源となるのだと思うのです。










 

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