不登校カウンセリングブログその1189.ゲームばかりしている不登校の子供。元気がありそうでしたら、様子を見ながらコミュニケーションを。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年7月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月21日

不登校の子供が、一日ゲームばかりしていて、親としてはどうしたらいいか、悩むところです。このまま、ずっとゲームをさせてあげるべきか、それとも子供に何か働きかけるべきなのでしょうか。
子供がゲームに熱中しているのは、心の中に抱えている将来への不安とか、自分自身に対する否定感などから、意識を外す目的もあります。ゲームをしていれば、そういう思いを忘れられるからです。
ですので、間違ってもそれ以上ゲームをさせまいと、むりやり子供からゲームを取り上げるようなことは避けるべきです。気持ちをまぎらわせるためのゲームですので、それを取り上げられたら、子供は自分の心の中の思いに直面しなくてはならなくなります。
ゲームに熱中している子供について、ぜひ見極めていただきたい点は、落ち込んでいるかどうか、元気があるかどうか、という点です。落ち込んでいて、元気がないことが感じられるのでしたら、かろうじてゲームはできるという状態なのでしょう。その状態で子供にいろいろと働きかけても、子供が受け入れられない可能性があります。まだ、そっとしておいた方がいいかもしれません。そっとしておいて、元気が出てくるのを待つべきでしょう。
落ち込んでいる様子ではなく、元気もあるようでしたら、子供の様子を見ながら働きかけるべきでしょう。この場合の「働きかけ」は、やはり子供へのコミュニケーションです。元気はある程度、出てきているものの、それでもゲームに熱中しているということは、何か考えていること、悩んでいることが心の中にあるのでしょう。それらが心の中にあるため、不登校の状況から前に進むことができないのです。
そこで、子供とのコミュニケーションを重ねていく中で、何を考えているのだろうか、何を悩んでいるのだろうかと、明らかにしていくことが必要です。「何を悩んでいるの?」と直接聞ければ、そのための手間や時間を短縮できるのでいいのですが、状況によっては、そいうふうに直接聞くと、子供が心を閉ざしてしまう危険性があります。子供の性格、親子関係、子供の様子などを考慮して、直接聞いた方がいいか、避けるべきか判断が必要です。直接聞くのを避けた方がいい場合は、コミュニケーションの中で徐々に明らかにしてきます。
この場合、難しいことですが、「聞き出そう、聞き出そう」という意識が出てしまうと、子供が心を閉ざすことがあるので、注意が必要です。
子供の口から聞ければいいのですが、それが難しい場合、子供の性格や不登校に至るまでの子供の様子から、何について悩んでいるか推測するのも、選択肢の一つです。
そうして、悩んでいることや考えていることをある程度、つかめたら、それを解消するための言葉を伝えていきます。人間関係で悩んでいるのでしたら、どうやってその悩みを小さくしていけばいいのか、人間関係で悩むことにはどういう意味があるのか等、伝えていきます。勉強する目的が分からなくて「勉強する意味なんてない」と考えているのでしたら、勉強する目的や、勉強が生きることにどのように関わっているのか等を伝えていきます。
伝える場合も、注意が必要です。「伝えよう、伝えよう」という意識が前面に出てしまうと、子供が嫌がってしまって、コミュニケーションを拒否してしまうことがあります。これも難しいことですが、子供の話を聞くことを中心にし、雑談を中心にしながら、その中で伝えていけば、子供がコミュニケーションを拒否するということが避けられます。
一度や二度、伝えたからと言って、子供が考えていることや悩んでいることが解消されるわけではありません。「はやく、この不登校の状況を解決しなきゃ」と思うあまり、急ぎすぎると元も子もなくしてしまいます。それらが解消されていくのを、子供のペースに合わせて待つ必要があります。
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