不登校カウンセリングブログその1213.「不登校は社会の問題から起きている」という考え方。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年8月22日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年10月21日

自分の子供が不登校になると、親御さんの多くが「自分の子育てに問題があった」「子育てに問題があったから、自分の子供が学校に通えなくなってしまった」と考えてしまいます。いじめなど、学校に明確に問題がある場合は別でしょうが、それ以外の場合はどうしても、先ほどのように考えてしまいます。
しかし、不登校について詳しく調べていくと、家庭の問題で起きているというよりも、社会の問題から起きているのではないか、という考え方が強くなっていきます。直近のデータでは、全国の不登校の子供の数は19万人になるとのことです。そんなに多くの家庭が、子供が学校に通えなくなるような問題を抱えているのでしょうか。不登校の子供が19万人にも上る状況は、社会に問題があるから起きている、と考える方が自然ではないでしょうか。
例えば、「ぜんそく」で考えてみましょう。子供がぜんそくになる家庭が、ぽつぽつと出てくるぐらいでしたら、それは子供の体質とか、その家庭の空気が悪いとか、そのように考えてもいいでしょう。
しかし、ある地域で、子供がぜんそくになる家庭が続出しているのでしたら、その地域の空気が汚れているのでは、というふうに推測できます。その地域に、汚染した物質を空に放出している工場があり、そのために空気が汚れてしまって、子供がぜんそくになる家庭がたくさん出ていると考えられます。その地域の社会の問題ということになります(分かりやすくぜんそくに例えましたが、不登校が公害や病気だと考えているのではありません)。
不登校の状況にも、同じことが当てはまりうると思うのです。たくさんの子供たちが不登校になるのでしたら、それは社会(不登校の場合は「学校」という社会)に問題があるのただと考えています。。
そして、不登校の場合の「社会の問題」とは、「他人の自己肯定感を低くする言動が多い」ことと、「希望を見出しにくい」ことです。他人への思いやりや優しさなどを教えていた道徳は、現代の社会ではほとんど教わることはありません。その結果、他人を傷つけたり、おとしめたりするような言動が多くなり、感受性の高い子供の中には、そういう言動をまともに受けてしまって、自己肯定感を損なってしまうのです。また、1990年代から日本の経済成長はほぼストップし、社会全体に停滞感が広がってきていて、希望を見出しにくくなっているのです。
子供は、大人以上に社会からの影響を受けます。子供の場合は、それが不登校の増加という形となって、現れているのでしょう。
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