不登校カウンセリングブログその1227.不登校の状況にある子供は、心の中でいろいろな思いが絡み合っていることがあります―「チャンクダウン」で最初の一歩を明確に―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年9月8日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月21日

不登校の状況にある子供へのコミュニケーションが難しいのは、最初に何を伝えればいいか、ということ、それと同じことになりますが、伝える内容に優先順位があるということでしょう。
不登校の子供に、将来のことを話すこと、進学のことを話すこと、勉強のことを話すことは、必要です。ただ、不登校の直後などに、そういうことを話すと、ほとんどの場合、子供は拒否反応を示します。コミュニケーションに必要な事柄ではあるけれども、子供の方では拒否してくる事柄なのです。
なぜ、こうしたことが起こるのでしょうか。それは、子供の心の中が、いろいろな思いが絡み合っている状態になっていて、いわゆる「チャンク」という状態になっているからです。「チャンク」とは「固まり」という意味であり、不登校の子供の場合は、いろいろな思いが絡み合っていてそれがひとかたまりになっているのが、「チャンク」というわけです。
この「チャンク」という状態になっていると、本人も何をしたらいいか分からない状況になります。不登校の場合、子供のそばにいる親御さんも、何を伝えるべきかがわからなくなってしまいます。
そこで、「チャンクダウン」というプロセスが必要です。「チャンクダウン」とは、絡み合ってひとかたまりになっているものをほどいていくことで、そうすることで、何から手を付けるかが明らかになります。
不登校の子供の場合は、絡み合っている心の中の思いを明らかにして、先にどの思いに対してコミュニケーションをとっていくべきか、優先順位をつけることが「チャンクダウン」となります。
さて、不登校の子供についてチャンクダウンですが、子供の個性も様々で、不登校に至った状況もまた様々ですので、その子供に合わせたチャンクダウンが必要でしょう。ただ、一般的なことであれば、不登校の子供が抱えている思いは、次のようなものになるのでしょう。
・今は疲れているので休みたい
・自分はダメな人間だ
・将来はどうなるのだろうか
・勉強がついていけなくなるかも
・親に申し訳ない
・学校に行きたくない
・人間関係がいやだ
これらの思いが子供の心の中で絡み合っていて、子供自身も何をどうしたらいいか、分からない状態になっています。そこで、一つ一つときほぐし、何から手を付けていくべきかを見定めていきます。
この場合、優先すべきは「今は疲れているので休みたい」という思いと、「親に申し訳ない」という思いでしょう。疲れていて休みたいと思っている時には、将来のことや勉強のことを話しても、心が受け入れられません。そこで、その思いをかなえさせてあげるべく、親は環境を整えていくことになります。「不登校の状況を受け入れてください」というアドバイスがありますが、それはまさに、「今は疲れているので休みたい」という子供の思いをかなえることです。
同時に、「今は疲れているので休みなさい。親に申し訳ないとか、そういうふうに考える必要はない」ということを伝えることで、「親に申し訳ない」という思いを軽くすることができます。
そういうことを行うことで、子供の心の中で絡み合っている思いがほぐれていき、一つ一つの思いが解消されていって、前に進めるようになっていきます。
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