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不登校カウンセリングブログその1302.不登校の状況にある子供の心の状態が、時間がたつとともに悪化する場合。


 不登校の状況にある子供の心の状態は、はたから見ていると、あまり変わりがないように見えることがあります。毎日、部屋にこもっていて、ゲームに熱中していたり、休んでいたりする姿を見ていると、変わらないように見えますが、時間がたつとともに変わっていきます。


 それがいい方向に変わったのでしたら、不登校の状況が改善していくということになりますが、悪化する場合があります。


 不登校直後の、子供の心はさまざまです。学校に行かずに済んでほっとした、という感じている子供もいます。学校に行かなくなって自分はダメだ、と自己否定感を抱いている子供もいるでしょう。


 そんな子供たちが、不登校の状況の中で、一人で過ごしていると、やはりマイナスの方向に心が向かってしまいがちです。不登校直後の心から、さらに悪化するのです。


 まず、「他人が普通にやっていることが、自分にはやれていない」ということからくる、自己否定感の増大です。「自分はダメだ」という自己否定感が、さらに大きくなっていくのです。現在、20万人にもなる不登校の子供の人数から言うと、不登校は珍しいことではありません。ただ、大部分は学校に行っているわけであり、その大部分の子供が学校に行っているのに、自分は行けていないという状況は、自己否定感をますます大きくしてしまいます。


 その自己否定感が大きくなっていくと、「学校に行っていない自分」に対する自己否定感ではなく、「自分そのもの」に対する自己否定感となってしまって、完全自己否定のような状態になることがあります。


 家族の中でもし、他の兄弟姉妹は学校に行っていて、自分だけ、不登校になっていたら、「家族の中で、自分だけがはみ出している」と感じることがあります。家族はそんな風にとらえていないのに、そのように感じてしまう子供もいるのです。不登校の状況で時間がたち、落ち着いてくると、そのように感じて家族から孤立していく子供が出てくることもあります。


 将来に対する不安も、時間がたつにつれて大きくなっていく可能性があります。子供も、不登校の状況から脱出し、将来に向かって進んでいかなければならないと感じています。このままではいけない、何とかしないといけないと感じています。不登校になってから、時間がたつにつれて、その思いはだんだん強くなっていきます。時間がたつほど、進級や進学の問題も出てきますし、学力や体力の低下も顕著になります。そういう思いが、やがて焦りになっていくことがあります。


 不登校解決のための対応で、「不登校になった原因を探っても、あまり意味がない」と言われるのは、一つには、以上のように子供の心の状態が、不登校になった直後より悪化することがあるからです。ある原因で子供の心が折れて不登校になったとしても、時間の経過とともにその原因とは関わりなく子供の心の状態が悪化した場合、その原因を探って明確にできたとしても、解決にはそんなに大きな意味は持たないのです。今の、悪化した心の状態を何とかしなければならず、それを引き起こした原因はもう、直接関係なくなっていることがあるのです。


 不登校解決が難しいのは、このような心の状態が悪化することがあるからです。








 

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