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不登校カウンセリングブログその1352.親御さんが、わが子の不登校を受け入れる上でのハードル。



 わが子が不登校になった親御さんは、おそらく誰かから、あるいは本か何かから、「わが子の不登校を受け入れてください」ということを聞いたり、見たりしたことがあると思います。


 これはその通りです。親御さんが、わが子の不登校を受け入れると、不登校の解決においてプラスの影響をもたらします。


 不登校になった子供、特に思春期の子供に強く当てはまることですが、他人と比較した自分、他人の目から見た自分というものを意識し始めます。私はそれを、「客観的自己」と呼んでいます。


 不登校になると、その「客観的自己」が小さく縮みます。他人の目から見た自分はー実際にそうではなくてもー「だめだ」と子供自身が思ってしまうからです。そのような自分を受け入れがたい子供の中には、「学校には行きたいけれども行けないんだ」と言う子供もいます。


 そのように、不登校になることによって小さく縮む「客観的自己」ですが、わが子の不登校を親御さんが早く、スムーズに受け入れると、子供は、「ああ、親にとっては、そんなに大変なことではないんだ」と感じます。そのように感じることができたら、「客観的自己」があまり小さく縮まなくなります。そのようにあまり縮まないということは、「自分は他人の目から見て、そんなにダメな存在ではない」と思えるということになります。その結果、他人の目が気になってしまって、不登校の状況から抜け出せない、ということになりにくくなり、不登校が解決するまでの期間を短縮できるのです。


 とは言いつつも、親御さんにとって、不登校の状況を受け入れるのは、そんなに簡単なことではありません。受け入れる上で、いくつかハードルがあるからです。


(1)受け入れると、学校に行かなくなるのではという不安

 わが子の不登校という状況を受け入れてしまうと、学校に行かなくなるのでは、という不安が、受け入れのハードルになります。

 ただ、子供も「学校に行かなくてはならない」という考えを持っていて、その上で、「学校に行きたくない。もう行かない」と言っているのです。このような状況では、親御さんが受け入れても受け入れなくても、子供はもう、学校に行くことはできません。


(2)子育てに失敗したと認めることへのためらい

 実際は違うのですが、わが子が不登校になるということは、子育てに失敗したことになる、と考えている親御さんは多いのではないでしょうか。そのようなことを認めたい親御さんはいらっしゃらないでしょう。わが子の不登校を受け入れることは、子育てに失敗したと認めることになるので、不登校を受け入れることにためらいが生じます。


(3)子供への愛情

 学校に通って、学力と一定の学歴を備えたうえで、社会に出ていくのが一般的な道です。子供には、そういう道を歩んで幸福になってもらいたいと思うのが親心であり、親としての愛情です。 

 しかし、わが子が不登校になれば、わが子が幸福になると考えられる道から外れることになります。親としての愛情ゆえに、不登校の状況を受け入れがたくなるのは当然です。


 

 こうしたハードルを乗り越えて、不登校の状況を受け入れるには、簡単なことではありません。ただ、子供にとって、そして不登校の解決にとって、不登校の状況をスムーズに受け入れる方が明らかにプラスなのです。










 

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