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不登校カウンセリングブログその1356.どうして、不登校の子供に、指示や命令をしない方がいいのでしょうか?


 「朝は早く起きなさい」「時間があるなら勉強しなさい」というような、指示や命令を、不登校の子供にはしない方がいいとされています。私も、その方がいいとお伝えしていますし、特に不登校の「安定期」、不登校直後の混乱がおさまってはいるものの、子供は外の世界に関心を持たず、基本的には部屋や家にこもっている時期においては、指示・命令はしない方がいいと考えています。どうしてでしょうか。


 不登校の状況にある子供の心理ですが、「自分は、他の子供が普通にできていることが、できていない」と劣等感を抱いてしまっています。たいていの子供は、思春期にあります。思春期は、他人の目を意識し、他人と比較した自分を意識するようになる時期です。そうした時期ですので、先ほどのような「自分は、他の子供が普通にできていることが、できていない」ということであれば、なおさら劣等感が強くなってしまいます。


 そのような劣等感を抱いている子供は、指示や命令の言葉に、「他の子供と同じようにやりなさい」というニュアンスを嗅ぎ取ってしまうのです。たとえ、親の側がそういうことを意図していなくても、子供はそう考えてしまいます。


 そうなると、先ほどの劣等感が強く刺激されて、子供は深く落ち込みます。親に対して、心を閉ざしてしまうこともあります。中には、暴言を吐いたり、暴力に訴える子供もいるでしょう。いずれにしても、親子間のコミュニケ―ションにおいて、好ましくない状況になります。


 では、子供とどう接すればいいか、ということになりますが、劣等感のもととなる、「自分は、他の子供が普通にできていることができていない」という思いを、コミュニケーションの中で軽くするような言葉をかけていくことです。


「今は休息の時だから、ゆっくり休息すればいい」

「学校に通うことが、たまたま合わなかっただけ。それが、人間としてダメであることを意味するわけではない」

「今、学校に行っていなくても、時間がたてば自分の道を進んでいくようになる」

というような言葉を、「繰り返し」かけていくことです。


 こうした言葉の中には、「学校に行ってほしい」という親の気持ちとは反対の内容もあります。どこまで、子供を信じ、子供の将来を信じることができるか、難しいことが問われているのかもしれません。









 

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