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不登校カウンセリングブログその1458.不登校の状況になって、自分を責めてしまっている子供に、不登校が起こっている社会的背景を伝えてあげてください。

 

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 不登校になると、子供は自分を責めたり、自分はダメだと自己否定感を抱いたりします。 そのような子供にはぜひ、不登校が起こっている社会的背景を伝えてあげていただきたいのです。


 子供が不登校になり、その不登校が増えている背景には、社会の変化があるのであり、必ずしもその子供に問題があるからではない、ということを、子供にも知ってもらいたいのです。そのことを知ってもらえると、自分を責めたり、自己否定感を持ったりするのが減るのではないかと思うのです。


 その社会的背景とはまず、地域コミュニティの崩壊です。隣に住んでいるのが誰だか分からず、隣近所との交流もなくなった状態が、地域コミュニティの崩壊です。

 地域コミュニティがあった時代は、子育てをしていたのは家庭だけではなく、地域でした。「〇〇ちゃん、もう学校から帰ってきたの?」「あんまり夜遅くまで遊んじゃだめだよ」と、親以外の地域の大人が声をかけることがよくあり、悪さをした時には叱られることもあって、地域の大人たちが子供を育ててくれていました。それに加えて、年齢が違う子供たちと遊ぶこともあり、年長のお兄さん、お姉さんが、世話をしてくれてもいました。


 そのような社会では、子供は親以外の人とも頻繁に交流することになりますので、子供の対人スキルが発達していました。他人と円滑な人間関係を作るスキルが高かったのです。


 しかし、地域コミュニティが崩壊した現代社会では、子育てを担っているのはほぼ、家庭となります。そうなりますと子供は、親や少数の同年代の子供としか交流することはなくなります。対人スキルが十分発達することなく育つことになります。


 そのような子供が学校に行きはじめ、他人のことを強く意識し始める思春期にさしかかると、他人との距離の置き方や接し方が分からなくなり、学校に行くのに抵抗感を感じて不登校になるのです。


 もう一つの社会的な背景は、道徳的価値観の喪失です。道徳的価値観とは、一言で言えば、「人はどう生きるべきか」という価値観です。勉強の目的、生きる目的、社会に出てからの目標、人との接し方などの価値観をまとめて、道徳的価値観と呼びます。昔は、その道徳的価値観を子供に教えていました。学校でしっかりと教えていました。


 現代は、ほぼそうした価値観を教える場がなくなりました。そうなりますと、いったい何のために学校に行くのか、勉強するのか、人とどう接すればいいのか、ということがわからなくなり、物事を深く考える思春期になると、そのことについての悩みが大きくなって、不登校になるのです。


 そうした背景がありますので、不登校になった場合、「自分に問題があって不登校になったんだ」と思い込まないよう、それらの社会的背景を子供に伝えてあげてください。










 



 

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