不登校カウンセリングブログその1255.心が変わるためには、時間が必要です―不登校の状況の変化がゆっくりな理由―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年10月5日
- 読了時間: 3分

心が変わるためには、時間が必要だと思います。このことは、自分の心を見ても、また他人の心を見ても、そう感じます。
私は、以前は経済的なものを軽視する傾向がありました。そのため、人生の一時期は結構経済的に苦労しました。苦労していながらも、そのような状況が、自分の心が原因で起こっているということに、まずなかなか気がつかないのです。
心は目に見えませんが、その心の状態が、自分自身の在り方や、自分の回りの環境、そして人生にも影響を与えます。心が影響を与えているのに、目に見えないためになかなかそのことに気づきません。
ようやく気づいたとしても、心を変えることは容易ではありません。心は、その時までの心の状態に影響されます。私の場合でしたら、経済的なものを軽視するという心で、何十年も生きてきました。そういう傾向があると気づいても、その心の傾向を変えるまで、だいたい6,7年くらいはかかったと思います。「ああ、自分には経済的なものを軽視する傾向がある。だから、変えていかなければならない」と気づいても、それまでの人生で、経済的なものを軽視する心だったので、すぐには変えられませんでした。自分でも意識していない時に、経済的なものを軽視する傾向が出てきて、経済的に苦しくなるという状況が続きました。
不登校の状況が、なかなか変わらないのも、似た構図があると思います。不登校は、いろいろな要因で起きますが、不登校になるカギとなるものは、子供の心です。そうした、いろいろな要因が子供の心に作用して、「学校に行きたくない」「外の世界に戻りたくない」という状態になってしまうのです。そのような心の状態にさらに、「自分はもうだめだ」「自信がない」「生きる希望がない」「努力したって無意味だ」というような心が積み重なってしまい、時間が経過すると、「このままではまずい」と思っても、自分でもその心の傾向を変えるのが難しくなってしまいます。
子供時代は特に感性が高く、また自意識も強いです。感情に引きずられやすいです。大人ほど、理性や知性が備わっていません。自らの心を変えるには、自分の心を見つめる視点が必要で、それは理性や知性による自己分析を伴います。大人でさえ、なかなか自分の心の状態に気づかず、気づいてもすぐには変えられないのですから、子供はその傾向がさらに強くなります。
不登校の状況は、子供の心の状態に左右されます。子供の心の状態が変われば、不登校の状況も変わっていきます。心がなかなか変わりにくいのですから、不登校の状況もなかなか変わりにくいということになります。心が変わるのに時間がかかり、その変化はゆっくりなのですから、不登校の状況の変化もまた時間がかかり、その変化はゆっくりとなります。
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