不登校カウンセリングブログその1396.不登校になる思春期の子供の気持ちが、分かりにくい時があるのはどうしてでしょうか。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2023年2月24日
- 読了時間: 3分

子供が不登校になっているのが分かる場合は、まだ比較的、どうすれば不登校の状況を解決すればいいかが分かりやすいでしょう。例えば、いじめによって不登校になったような場合、これは明らかにいじめが原因であり、いじめをうけた子供の心のケアをしつつ、いじめを解決するよう学校に働きかけることが、不登校の状況を解決するために必要なことだと分かります。
その解決が簡単だとは言いません。学校側がいじめに対処してくれない場合は、学校への働きかけは非常に難しくなりますし、いじめによって受けた子供の心の傷のケアも、簡単なことではありません。ただ、解決の方向性は明らかです。
そのように、原因を推測できる不登校は、そんなに多くはありません。むしろ、「どうして不登校になったのだろうか」と、子供のそばで見ていても分からない不登校の方が多いでしょう。いじめでもなく、友達関係での問題でもなく、普通に学校に通っているように見えたのに、ある日突然、「もう学校に行けない」と宣言して、学校に行かなくなるような場合、子供の気持ちが分からないので、何をどう働きかければいいか、分かりません。
もし、子供が思春期にさしかかっている年齢でしたら、思春期特有の心理の発達によって、不登校になっているというふうに推測できます。思春期特有の心理の発達は、大人には分かりにくい部分があり、それによって起こる不登校もまた、「どうして不登校になるのか」ということが分かりにくいのです。
思春期特有の心理の発達とは、他人のことを強く意識し始める心理と、将来のことを考え始めて、自分のやりたいことやなりたいものを意識し始める心理の発達です。私は前者の心理を「客観的自己」、後者の心理を「主観的自己」と呼んでいます。思春期においては、これら二つの心理がバランスよく発達していくことで、子供は大人へと近づき、社会に出ていく準備を整えていくのです。
社会に出るということは、さまざまな人間関係の中で生きていくことになります。その準備として、他人のことを強く意識していく心理になっていきます。同時に、社会に出ることは、そこで何をして生きていくかを決めることになります。そこで、自分のやりたいことやなりたいものを、意識し始めるのです。
しかし、思春期の子供の中には、それら二つの心理のバランスをうまく保てず、そこで人知れず悩みを抱えるようになります。「客観的自己」が拡大しすぎてしまって、他人のことを意識しすぎ、人の中にいて疲れてしまうようなことや、自分が他人と比べて非常に劣っているような気持ちになることがあり、それで学校に行くことにストレスを感じて、不登校になります。また、「主観的自己」が十分に大きくならず、将来のことを意識し始めて入るものの、なりたいものやしたいことがはっきりとつかめないため、「何もやる気がない」「勉強する気がおきない」「学校に行きたくない」と無気力になって、不登校になります。
こういう子供は、そばで見ていても何に悩んでいるのか、分かりにくいです。人間関係で何か問題を抱えているわけでもありません。学校にも普通に普通に行っていました。
しかし、思春期は子供の心と体が大きく変わっていく時期であり、その時期を通りすぎた大人には分かりにくい心理を、子供は抱えています。それが不登校の結びつくことがあります。
Kommentare