不登校ブログその754.不登校直後の子供たちの心。その心の状態を変えるには。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2021年4月29日
- 読了時間: 3分
不登校の状況も、子供たちの置かれた環境も、子供たちの心の状態も、本当にさまざまです。すべての子供たちに当てはまるものはありません。不登校について考える場合、難しいのはその点です。
そのことを踏まえたうえで、「多くの」子供たちに見られる、不登校になった直後の心は、「疲れたから休みたい、休ませてほしい」「学校に行けなくなった自分はダメだ」「これからどうなるのだろうか」という思いです。
それらの思いを解消し、心の状態を変えていけば、それに伴って不登校の状況も変わっていきます。そのために必要なことは、1.安心して心と体を休める環境を整える 2.きちんとした理由があって休んでいるだけ。学校に行けないことで自分を否定することはないことを伝える 3.不登校の状況から幸福な将来を作っていく道筋を伝える ことだと私は考えています。
1.安心して心と体を休める環境を整える
不登校の子供たちに見られるのが、まじめで、親に迷惑をかけたくないという気質です。その気質があるため、「苦しくても学校に行かなきゃ」という思いで、学校に通い続けていたはずです。
そういう子が、不登校になったのですから、それまで相当、心と体が疲弊しています。不登校直後はまず、その心と体を休める必要があります。そのための環境を整えることにおいては、不登校のご家族、特にお母様の役割が大きいです。
疲れて疲れて静かな環境にいたいという思いなのでしたら、静かな環境にすることが、環境を整えることでしょう。その子の好物を作ってあげることも、環境を整えることになります。
ここで重要な点があります。ご家族の心の状態、特にお母様の心の状態です。わが子に対して、「さぼっている」「ダメな子だ」と思い、裁いていると、その思いが子供に伝わって、心を休める環境になりません。
そこで次のことが大事になってきます。
2.きちんとした理由があって休んでいるだけ。学校に行けないことで自分を否定することはないことを伝える
なぜ不登校になったのか。いじめや教師の暴力という、周囲の人にもよくわかる理由があれば、なぜ不登校になったのかが分かりやすいのですが、それ以外の理由の場合、なぜ不登校になったのか、周囲の人にはよくわからないことがあります。
さらに、子供自身が、自分の心の内を言いたくないことがありますし、自分でもよく分からないこともあります。
学校に行けていない事実は、子供を「自分はダメだ」という思いにさせます。その思いに子供が縛られていたら、つらい状態が続くことになります。
ですので、ご家族が「あなたが学校を休んでいるのには、きちんとした理由がある。理由があるのだから、学校に行けないことによって、自分を否定する必要はまったくない」ということを伝えて、「自分はダメだ」という自己否定の思いを軽くしてあげることが、心と体を休める環境を整えることになります。
3 不登校の状況から幸福な将来を作っていく道筋を伝える
学校に行けなくなるとどうしても、将来が悲観的になります。希望がなくなったように見えます。
ただ、万が一、そのまま学校に行けなくとも、幸福な将来を作っていくことはできます。小中学生で不登校になったのであれば、高校から再スタートできますし、通信制高校もあります。高校生で不登校になったのであれば、高等学校卒業程度認定試験(高認)を受けて、専門学校や大学に入る道もあります。やりたいことが明確になっていたら、働くという道もあるでしょう。
学校に復帰するのが、経済的にも心理的にも負担は少ないことが多く、いわゆる「不登校の解決」のゴールと見なされますが、道はそれだけではないことも伝えて、いくらでも希望はあることを、子供たちに理解してもらうことが、環境を整えることです。
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