不登校ブログその922.何か苦しく辛い経験が起きる時、その人に原因がある場合と、原因がない場合がありますー不登校のご家族に原因がない場合の考え方―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2021年10月16日
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ある、苦しく辛い経験が起きた場合、一般的には起きた人に原因がある、という風に考えます。例えば、人間関係がうまくいかない場合です。その人に、人との接し方に若干問題があって、周囲の人とうまくいかないということであれば、その人自身に原因があることになります。
この場合は、「人間関係がうまくいかないのは、自分に原因があるからだ」と受け止めて、人との接し方のどこに問題があるのかを考え、その部分を改めていくことになります。そうやって、そういう苦しく辛い経験を解決していきます。
ところが、いろいろ考えてみても、分析してみても、その人に原因がない、あるいは、ないわけではないけれども、そのような経験が起きるほどではない、という場合があります。先ほどの例で言いますと、人間性に問題はなく、人との接し方も申し分ない人なのに、人間関係がうまくいかないということです。具体的には、周囲の人がその人に嫉妬をして、その人に対して攻撃的になる場合などでしょう。
もちろん、周囲の人の嫉妬心をあおるような言動を、その人がしているなら、原因はその人にあるということになります。ただ、そういうことがない場合、むしろ原因は周囲の人の嫉妬深さにあって、その人には原因がないことになります。
不登校の状況のすべてではありませんが、子供本人や親御さんに原因がなくて、そのような状況になっているケースが多いように感じます。子供もしっかり育っていて、そのように親御さんが子育てしてきた、しかし、不登校になっているというケースです。
こういう場合、不登校になったことは、子供本人や親御さん原因がない場合を、どのようにとらえたらいいのでしょうか。
もし、子供や親御さんに原因があるなら、子供も親御さんも辛いですが、対応ははっきりしています。それは、その原因を改善していくことです。しかし、原因が当人たちにない場合は、不登校の状況をどう考えて、何をすればいいのでしょうか。
私は、こういう場合の不登校は、子供本人や親御さんがさらに素晴らしくなるための機会ではないかと考えています。そして、不登校の状況を乗り越えることで、それまでとは違う何かを得ていくと考えています。世間一般で言われているような、「不登校は子育てに原因がある」とか「子供に問題があるから不登校になったという考え方とは、真逆の考え方です。
先ほどの人間関係で、周囲から嫉妬された人の場合、本人に原因がないのですから、本人はどうしようもありません。そこで、もっと人間の器を大きくして、そういう人を許すようになったり、忍耐力を強くしたりして、その状況を乗り越えていきます。その結果、そういう素晴らしい人間性を得ることになります。
それと同じように、不登校の状況を乗り越えていく過程で、子供も親御さんも、不登校以前では持っていなかった、素晴らしい人間性や個性を、得ることができるのではないかと思うのです。
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