UA-139114584-1
top of page

不登校カウンセリングブログその1077.不登校の解決にとって「望ましい見守り」と「避けたい見守り」。

更新日:2022年10月22日

 

 不登校の子供への対応で、「見守る」ということがあります。「元気になるまで、見守ってあげてください」というようなアドバイスを、聞かれたことはあると思います。この「見守る」ということも、なかなか難しい対応であり、「相談機関にアドバイスを受けて、ずっと見守っていたけれども、時間がたつばかりで何の進展もなかった」という方もおられます。私は、「見守る」ことには、不登校の解決にとって「望ましい見守り」と「避けたい見守り」があると考えています。


「望ましい見守り」その1 子供がコミュニケーションを拒否している時の「見守り」

 子供が、親を含めて他人とのコミュニケーションを拒否していることがあります。それは、不登校直後の、心が深く傷ついている時や、子供が元気をなくしている時にあることです。

 こういう時は、子供とコミュニケーションをとろうにも、とることができません。子供への対応、不登校を解決するための対応は、「見守る」ということしかないのです。子供がどれくらい傷ついているか、元気をなくしているか、そしてそのような傷が早く癒えて、元気が出てくるように見守ってあげることが、この状態でできることでしょう。


「望ましい見守り」その2 子供が時間をかけて、自分の心の中の悩みや苦しみを解消し、外の世界に関心を持ちはじめるのを待つという意味の「見守り」

 不登校の子供は、心の中に何らかの悩みや苦しみを抱えています。それらを解消することで、不登校の状況は変化し、解決していきます。そのためには、周囲にいる人が、そのような悩みや苦しみを解消するための言葉を、子供にかけていくことになります。

 しかし、そのような言葉をかけたからと言って、すぐに子供の心の中の悩みや苦しみが、解消されるわけではありません。やはり時間がかかるのです。子供が、かけられた言葉を受け入れ、考えて納得し、その結果、自らの心を変えていくまでには時間が必要です。


 そんな時、親御さんが、「不登校の状況を解決したいから、子供に早く、自分の心を変えてほしい」と思い、焦ってみても、子供の心はすぐに変わりません。子供には子供のペースがあります。


 こういう場合は、子供の悩みや苦しみが解消するよう、子供の心の状態に合わせてコミュニケーションをとりながら、子供が自分の悩み・苦しみを解消するのを「見守る」ということが求められます。


「避けたい見守り」

 「避けたい見守り」は、子供とのコミュニケーションが可能なのにも関わらず、子供が抱えている悩みや苦しみを解消するための言葉をかけることなく、ただ見ていることです。不登校の子供のほとんどは、心の中に、何らかの悩みや苦しみを抱えています。それをなかなか消せないために、不登校の状況になっているのです。


 子供だけで、そうした悩みや苦しみを解消することはできるかもしれません。不登校の状況の中で、自分であれこれ考えて、自分が抱えている悩みや苦しみを解消していくことは可能です。


 ただ、親御さんが適切な言葉をかけてあげるよりも、ずっと時間がかかります。子供が単独で解消できない場合は、その悩みや苦しみがずっと残ることになりますので、不登校の状況が終わらないことになってしまいます。冒頭で出した、「相談機関に見守るようアドバイスを受けて、実行したけれども不登校の状況がまったく変わらなかった」という親御さんは、このパターンの「見守り」を実行したためです。そのために、いつまでたっても不登校の状況が変わらなかったのです。


 

 「見守る」という選択肢をとる場合は、子供とのコミュニケーションが可能かどうかを確認しておく必要があります。







Comentarios


bottom of page