UA-139114584-1
top of page

不登校カウンセリングブログその1079.「わが子が不登校」という状況に対して、親御さんはどのように受け止めますか?子育ての失敗?

更新日:2022年10月22日


 わが子が不登校になった親御さんのツイッターやブログを見ていて、「子育てに失敗した」と落ち込んでしまっている親御さんが多いことを実感します。ある段階において、そのような気持ちになることは、仕方がないことだと思います。しっかりと育て、親としての愛情も注いだのに、突然のわが子の不登校という状況は、わが子の将来は大丈夫かという不安とともに、わが子に対して「申し訳ない」という思いや、そこから派生して「子育てに失敗した」という思いが出てくるのに十分な状況でしょう。


 もちろん、完璧な子育てはないでしょう。親も子も、人間は100%完全無欠の存在ではありません。子育てにも、何か欠けていた部分はあるかもしれません。


 しかし、「子育てに失敗した」と落ち込んでしまうほどでもないと思うのです。もう、ブログでも再三、取り上げてきましたが、わが子が不登校になったからと言って、子育てに失敗したというわけではないのです。不登校のことを詳しく知るほど、不登校はさまざまな要因が絡んで起こることが多いことが分かります。「子育てに失敗したからだ」と単純に決めつけることはできません。


 わが子が不登校になって、「どこか、子供との接し方で変えた方がいいところがあるかな」と、子育てを省みるのはいいかもしれません。先ほども述べましたように、100%完全無欠の人間はいませんので、完璧な子育てはありません。「わが子にとって、もっといい接し方はないかな」と省みることは、決して悪いことではないと思います。


 ただ、「子育てに失敗した」と考えてしまうのは、避けていただきたいのです。そのように考えることは、まず親御さんが自信を失ってしまいます。わが子が、不登校になって自信を失っている状況で、親御さんが自信を失ってしまっては、家族の中でいったい誰が、自信を取り戻すことができるのでしょうか。やはり親御さんが自信を保ちながら、わが子と接する中でわが子が自信を取り戻すよう、働きかけていくのが筋でしょう。


 また、「子育てに失敗した」という思いは、子供にも伝わります。この思いが子供に伝わると、「自分は失敗作なんだ」という思いを子供は抱き、不登校という状況で落ち込んでいる子供の心を、さらに落ち込ませます。わが子のためにも、「子育てに失敗した」というふうに思ってしまうのは、やはり避けていただきたいのです。


 もう一つ、避けていただきたい理由があります。それは、子供に対する説得力です。何についての説得力かと言いますと、「不登校の状況は失敗じゃない。成功の種を引き出す機会でもある」ということを伝える際のものです。


 不登校の子供は、「自分は不登校になった。この不登校の状況は失敗だ」と落ち込んでいます。そのような子供の心の状態を変えていくには、不登校の状況が失敗ではなく、そこから何か教訓になることなどを見出し、成功の種を引き出す機会だと伝えることです。すぐには伝わらないでしょうが、根気強く伝えていくことで、「失敗だと思っていたけれども、実はそうではなかった」と考えるようになります。そうすれば、落ち込んでいる心の状態が変わっていきます。


 そのことを子供に伝えるには、伝える側である親御さんが、「わが子の不登校」という状況を失敗とはとらえず、成功の種を引き出す機会ととらえている必要があるでしょう。それでこそ、子供に伝える言葉に説得力が出てきます。


 では、わが子の不登校という状況から、どのような成功の種が引き出せるのでしょうか。

これは家庭によって、親子関係によってさまざまであり、自分で考えていくものでしょう。ご自分で「こういうことが引き出せるのではないか」と考えた末に、成功の種は引き出せます。


 ただ、成功の種にはいくつかのパターンがあります。これまで不登校カウンセリングで、ご家族と接してきて、引き出した成功の種は次の通りです。


1 わが子への接し方を省みる機会

 これはブログの冒頭でも述べました。例えば、「これまで先回りして子供に『〇〇やったらどうなの』と伝えてきたが、子供の自主性にある程度任せていった方がいいかもしれない」と、不登校をきっかけにして、それまでの接し方を省みることで、「親力」がもっと向上するかもしれません。


2 将来、わが子にもっと困難なことが起きた時に、支えることができるための機会

 不登校という状況は、間違いなく困難なことですが、ここでしっかり親として支えることで、「支える力」が高まります。将来、もしかしたら子供に、もっと困難なことが起こるかもしれません。その時、その高まった「支える力」によって、支えることができるでしょう。


3 信じる力を高める機会

 不登校の対応で、最も大変なことの一つは、先が見えない状況で長い時間、「いつか解決する」と信じて、子供に接し続けることでしょう。「信じる力」が高まっていきます。その力は、何かを成し遂げたり、何かに耐えたりする場合の、大きな力となります。


 このように、不登校という「失敗した」と思える状況でも、何か成功の種を引き出す機会にできると思うのです。








 

コメント


bottom of page