不登校カウンセリングブログその1119.苦しい過去が吹っ切れない不登校の子供たちへ―できるだけ過去にとらわれない、「一日一生」という考え方もあります―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年4月30日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月22日

不登校の状況にある子供たちの多くが、苦しい過去に心がとらわれてしまって、なかなか吹っ切れないのではないでしょうか。不登校になった背景の中には、いじめや、そこまでいかなくとも人間関係でうまくいかなかったこと、勉強や部活で失敗したことなどがあり、そうした苦しい過去が心の中にグルグルと渦巻いていて、先のことを考えられなくなっていることもあるでしょう。
心的外傷後ストレス障害「PTSD」というものがありますが、これなどもその極端な例です。命の危機に関わるようなものであると、長期間、生活に支障が出るぐらいの苦しみから抜けられません。不登校のほとんどが、そこまでのレベルではないでしょうが、苦しい過去に心がとらわれてしまっているには違いがありません。不登校の状況から脱出するには、苦しい過去とどう向き合うか、考えなければなりません。
そのために、一つの考え方を挙げたいと思います。それは、
一日一生
です。
これは、仏教者やクリスチャンが、人生の中で大事な生き方、考え方として訴えている考え方です。
この言葉には、いくつかの意味があり、
・一日は全生涯と思って悔いのないよう生きなさい
・一日は尊い時間なので、一日を浪費してはいけない
・一日を一生のように生きなさい。明日はまた新しい一生である
という意味と解釈されます。どれも大事ですが、過去に苦しんでいる不登校の子供たちには、特に三番目、すなわち「一日を一生のように生きなさい。明日はまた新しい一生である」と意味にとらえるのが適当でしょう。
先ほど述べましたが、不登校の状況にある子供たちの多くが、過去の何らかの出来事や経験によって苦しみ、その過去の苦しみに心がとらわれています。その状況がずっと続きますと、今度は将来に対する不安や絶望が募ってきて、過去の苦しさと、未来への不安・絶望に挟まれ、もう心がどうにもならない状態になってしまうのです。
しかし、「一日一生」の考え方でしたら、過去の苦しみから抜け出るきっかけになるのではないでしょうか。一日一生、つまり、過去の苦しみはもう過去の出来事であって、今日や明日に持ち越さない、あの時はあの時、今は今と考えていきます。苦しかった過去を変えることは基本的にはできませんが、現在と未来は変えることはできます。いくら苦しかろうと、今日はまた別の一日であり、明日もまた、過去とは違う一日です。過去にとらわれ続けてしまうことは、現在と未来も苦しいものに変わっていくことになります。
「一日一生」の考え方で、心をコントロールすることは、なかなか難しいことではあるでしょう。あまりにも苦しみが大きいと、やはり心から離れがたいでしょう。特に、感受性の高若い年齢では、そうしたことは難しいです。
しかし、過去の苦しみが心の中に湧き上がってきたら、少しずつでもいいので、「一日一生、一日一生」と思いながら、苦しみにとらわれないようにしていければ、現在と未来が変わり、不登校の状況は変わっていくはずです。
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