長期の引きこもりの子供たちが抱いている、後悔の思いを軽くするには。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」

- 2020年11月19日
- 読了時間: 4分
十年も二十年も、引きこもっている子供たちは、後悔の思いを抱いています。「何十年も人生を無駄にしてしまった。何十年も引きこもってしまって、何も実現できていない。自分の人生は無駄だった。いったい自分は、何をしてきたのか」という後悔の思いです。
こうした後悔の思いが大きいと、引きこもっている子供たちは、なかなか前に進めません。引きこもっている状況から、脱出できません。後悔しているということは、失われた過去の方ばかりを見ていることになるからです。
この後悔の思いを軽くするためには、子供に対して親がコミュニケーションの中で、いくつかの言葉をかけてあげる必要があります。
まず、これまでの自分の人生が無駄だったという後悔に対しては、何も得られなかったわけではなく、得るものはきちんとあったことを、子供たちに伝えるべきでしょう。長年引きこもってきて、他の人のように社会に出て仕事をし、家庭を育み、さまざまなものを積み重ねてきたわけではないから、何も得ていないわけではありません。引きこもってきて、自分の心を見つめてきています。自分の心を見つめることは、社会的に評価されているものではありません。しかし、経済的なものや物質的なものに囲まれていながら、心を見失っている人よりも、優れている部分があり、評価されるべきものはあります。
今の自分の心の状態がどうなっているか、物質にあふれ、忙しい現代人の多くが、つかめていません。自分の心を見つめることをほとんどしないからです。
心は目に見えませんので、その状態がどうなっていても、特に問題はないように思えますが、そうではありません。心の状態が、人間関係にも、周囲の環境にも、そして人生にも、大きく影響を与えます。もし、心の中で、他人から奪うこと、かすめとることばかり考えていたら、どうなるでしょうか。そういう人のそばにいると、奪われるような気持ちになり、そして実際、何かを奪われてしまいますので、その人から遠ざかろうとします。結果、そのような心の状態の人は、だんだんと人間関係が消えていって、孤独になっていきます。
「心は他人から見えないから、表面だけ取りつくろってしまえばいい」と思う人もいるでしょうが、時間がたつにつれて、その心の状態が周囲に影響を与えていきます。そして、人生が、心の状態に応じたものに変わっていきます。これが、ブログでたびたび取り上げてきました、心の創造力です。
長い引きこもりの中で、心を見つめてきた子供たちは、自分の心の状態が今、どのようなものかを確認する習慣を身につけていることになります。これは、引きこもりの経験で得られたことだと、私は考えています。
また、「自分の人生は何も実現できていない、無駄なものだった」という後悔に対しては、「残された時間はある。失った時間を後悔するのではなく、まだ残された時間において、しっかりと努力していけば、必ず何かが実現できる」と、子供たちに伝えてあげるべきです。
努力は、続けていけば必ず、何らかの成果に結びつきます。「原因・結果の法則」とも呼ばれますが、原因となる種を植えれば、必ず結果という実がなります。努力することで、種を植えることになりますので、何らかの成果という実を得ることはできます。後悔している子供たちは、まだ残されている時間の方を、あまり意識しないのです。40歳まで引きこもっていたとして、平均寿命から考えてあと40年以上、50歳まで引きこもっていたとして、あと30年という時間が、残されています。それだけ時間があれば、しっかり努力していくことができます。そして、成果をあげることができます。
長年の引きこもりで、いろいろと後悔してしまう気持ちはわかります。しかし、後悔ばかりしていても、何も得られません。後悔の気持ちを抑え、何か得てきたものがあり、これから成果を出すことができると考えて、残りの大切な時間を、一生懸命に生きていけば、必ず、幸福な人生とすることができます。

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