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不登校カウンセリングブログその1142.不登校の子供へのコミュニケーションは、常に「共感」を土台にすると、閉ざされがちな子供の心が開き、心の傷がいやされやすくなります

更新日:2022年10月22日


 私は、不登校の子供へのコミュニケーション、そしてわが子の不登校で悩んでおられる親御さんへのコミュニケーションにおいては、常に「共感」が重要になると考えています。そして、その共感を、コミュニケーションの土台にするべきだと考えています。「共感」とは、相手の心を理解しようとし、その心の中にあるさまざまな悩みや苦しみを感じ取ろうとすることです。その「共感」が、不登校解決のためのコミュニケーションにおいては、必要だと考えています。


 それは、相手の悩みや苦しみを、コミュニケーションの中での言葉によって解消していこうとしたら、その悩みや苦しみがどのようなものか、理解しておく必要があるからです。それらを理解して初めて、伝える言葉が相手の悩みや苦しみを解消する可能性が出てくると、私は考えています。


 悩みや苦しみを理解しておくと、まず、どういう言葉を伝えればいいか、考えます。「相手は、こんなふうに苦しんでいる。その苦しみはこれぐらいの大きさだ。だから、こういうことは伝えて、こういうことは伝えないでおこう」というふうに考えるでしょう。それによって、伝える言葉に影響力が備わってきます。


 例えば、不登校の子供が、見る限りそんなに落ち込んでおらず、心の傷があまりないように思えるのでしたら、これは明るく励ました方がいいかもしれないな、と考えるでしょう。そして、明るく「不登校の状況なんてたいしたことない!あなたならすぐ、この状況から出ていけるよ!」と背中を押すような言葉がいいのかもしれません。そういう言葉を明るくかけてもらった方が、子供が「よし!頑張ってみよう」となるかもしれません。


 しかし、ものすごく落ち込み、心の傷が深そうなときは、その心の傷をよく理解し、「これは励ますよりも、その苦しさや辛さを感じ取ったことを伝える言葉の方がいいかもしれない」と考え、「本当につらかっただろうね。将来への不安も大きいのかな。苦しいだろうね」とまず、共感の言葉を伝える方が、相手の心に届きやすくなるでしょう。


 不登校の子供とのコミュニケーションで重要なことは、「相手の不安や心の傷を解消する言葉」を考えることと、それを子供の心に届くように伝えることです。どんなにいい言葉であったとしても、その伝え方がうまくなかったら、子供の心に届きません。子供の心に届きやすくするのが、「共感」です。共感することで、子供の心が開きやすくなります。自分のことを理解してくれた人に対しては、やはり心を開くものだからです。


 それに加えて、心に深い傷があった場合も「共感」は、その傷をいやします。自分の話を聞いてくれ、共感してくれるだけで、たとえその人が抱える問題が解決しなくとも、「自分の苦しみを理解してくれた」と安心するものです。


 不登校の子供は、その状況から脱出するまでは、多くの場合、何らかの悩みや苦しみを抱えていて、心に傷があるものです。そこで、不登校の状況にある段階でのコミュニケーションは、共感を土台にしておくべきだと思うのです。







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